第326話 学園祭初日 〜7〜
「前回のクイズの答えは『②』だ!」
美月からはすぐにメールで『すぐ行く、今すぐ行く、そこで待ってて』って来た。
実際美月はだいたい2分くらいでここまで来た。
ものすごく息を切らしてる。
廊下、走ったんだな、こいつ。
「あ……美月ちゃん……」
「ひな……た……ちゃん……! ひさ……し……ぶり……!」
「あーっと……一旦水飲む?」
「いいの……?」
「うん、これで喉やられちゃったら大変だからね」
ひなたさんはバッグからペットボトルの水を出して、それを美月に差し出す。
美月はお礼を言ってからそれを受け取って飲み始めた。
「……そういえばお名前は……?」
俺はひなたさんの隣にいる人に話しかける。
「あ、みくです」
「俺は――」
「康輝さん、ですよね?」
よく俺の名前知ってるな。
ひなたさんから教えてもらったのかな?
「ふー、ありがと」
美月は飲み終えたみたいで、体力も少しずつ回復してきたみたい。
よく見ると水がたくさん入ってたペットボトルはもう空だった。
「そういえば美月ちゃんたちはなんの出し物してるの?」
「お化け屋敷だよ!」
「お化け屋敷いいよね! ……あれ? 去年もお化け屋敷だったよね? 康輝くんのところは。美月ちゃんって同じクラスだったっけ?」
「いや、私は違うよ……」
「じゃあ去年はなにやったの?」
「……ごめん、言いたくない」
うん、言いたくないわな。
美月にとっては黒歴史だったんだろうな……。
よかったよ、うちはお化け屋敷で。
「じゃあみんなで康輝くんと美月ちゃんのところ行こうよ! ほら、お化け屋敷って人数多いほうが面白いじゃん? 前回さ私一人だったから……」
「あのときは私が用事あったもんね」
確かにあのときはみくさんはいなかった。
ひなたさん一人に俺は撃たれたんだもんな。
って、ひなたさん、あそこに行くの……?
「ひなたちゃん、怖いのいける……?」
不安そうに美月が訊いてる。
その理由は俺にもわかった。
「まぁ、ちょっと怖いけどみんながいれば大丈夫だよ! ね、みく?」
「うん! 一人だと無理だけどね」
「……康輝からも言ってあげて?」
「えっと……めっちゃ怖いよ?」
「大丈夫!」
本当に大丈夫……?
……というより、俺が行くのが嫌なんだけど。
もうあんな怖い思いしたくない。
そうだ、ひなたさんにどれだけ怖いかわかってもらおう。
「あの、海波って知ってますよね……?」
「もちろん! いつも握手会とか来てくれてるし!」
だよね、そのとこは知ってる。
どこで知ったかは覚えてないけど。
「海波、半泣きしてました」
「あー……。……ま、大丈夫!」
お、おお……。
なんか行く感じの雰囲気になったから行くしかない。
怖いんだよな……俺が。
「ひなたちゃんたち……大丈夫かな……? あれ、高校生向きじゃないよ……。ではクイズだ! 『水麗は誰の影響で将棋が強くなった?』。水麗ー!」




