表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
325/352

第325話 学園祭初日 〜6〜

「前回のクイズの答えは『✕』だ!」

 で、どこで話そう?

 大雅はもう信用できないから、俺が決めるか。


 学園祭のパンフレットを見ると、この期間だけ屋上を開放してるらしい。

 だからそこにするか。


 「なぁ、大雅――」

 「あれってナンパした女だよな?」


 へ?

 大雅は俺とは真反対の方向を見てる。


 そこを見ると、確かにいた。

 俺たちと同い年くらいの他の学校の制服を来た女の人と、なんかオーラがある人――石川ひなたさんが。


 今日のひなたさんはサングラスとかマスクで顔を隠してないから気づくのに遅れた。


 二人は俺たちの存在に気づいたみたいで、早足でここまで来る。


 「久しぶり――ってほどじゃないか。来ちゃったよ、康輝くん」


 この声、間違いない、本物だ。


 「すごい……もうタメ口で話し合う仲なんだ……」


 もう一人の女の人がつぶやいてる。

 この人は本当に誰だ?


 「康輝くん、覚えてる? 多分二人が会うのは2回目だと思うけど……」

 「あーっと……。ごめんなさい、ちょっと見覚えが……」

 「あはは……だよね……。私は『りら』みたいに有名人じゃないもんね……」


 ごめんなさい、本当にどなたですか?


 「ショッピングモールで会ったんだよ、二人とも」


 ショッピングモール……。


 ……! ヤバい! 思い出した!

 俺がナンパした人じゃん!


 ひなたさんの隣にいた人!


 ひなたさんが目立ちすぎてこの人の存在忘れてたよ……。


 「ってか、今日は顔隠さないんですね」

 「あ、敬語使った。夏に私が言ったこと覚えてない? 敬語ダメだって。……本当はもっと前に言ってたんだよ。康輝くんがゾンビメイクしたときにね」


 ゾンビメイク……。

 そんなこと確かにしたな。


 「じゃ、康輝くんの質問に答えるね。意外と堂々としてたほうが目立たないんだよね」

 「ああ、そういう……。それと、さっきお友達さんから『りら』と呼ばれてたけど……」

 「あだ名みたいなもん。外で大声で本名言っちゃうと……あれじゃん? だからあだ名」


 なるほど、理解できた。


 「それと、もう一人ゲストが来るんだー」

 「ゲスト……?」

 「うん、ヒントね。メイク得意な人」


 メイク得意な人……。

 そんな人いっぱいいるよね?


 「もう一つヒント。名字と名前に植物の名前が入ってます」


 マジで誰?


 「あと1時間くらいで来るって。その間康輝くん、暇? もしよかったら一緒に回らない?」

 「え、いいの? じゃあ美月も誘ったほうがいいかな?」

 「あー、美月ちゃんの都合がよかったら」

 「多分大丈夫。今からメールする」


 それと大雅だ。

 『お前も一緒に来る?』って言おうとしたけど、そのときには遅かった。


 大雅がどこにもいない。


 「あれ? 大雅……?」

 「隣にいた男の子なら走っていったよ?」


 なんでだよ。

 なんでこのタイミングで逃げるんだよ。

「ほへー、ひなたちゃん、友達連れてきたんだー。早く会いたいなー。ではクイズだ! 『水麗は康輝よりなにが強い(優れている)? ①……勉強、②……将棋、③……握力』。! 久しぶりの3択問題!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ