第314話 学園祭準備 〜3〜
「前回のクイズの答えは『ポケットナイフ』だ! ……これ、警察には内緒だよ?」
結局3人で行くことになった。
買う場所は知らない駅にあるお菓子屋さん。
冬乃が案内してくれて、冬乃のオススメの場所らしい。
冬乃のラーメン屋、小学生以下には軽いお菓子をあげてるらしくて、そのお菓子もそこで購入してるらしいよ。
「康輝くんもほしかったー? 前うちに来てくれた時に」
「いらないよ」
そんな会話をしながら店の中に入る。
結構広くて、比較的新しい建物っぽい。
「どうする? みんなでわかれてさがす? それともみんな一緒にさがして、良さそうなのを相談する?」
「あー、どっちのほうがいいかな?」
「私は後者のほうがいいと思うな。ほら、ここ広いから、お菓子いっぱいあるんだよ。だからどれがいいかを一人で考えるのはちょっと大変かなって」
「わかった、じゃあそうする。水麗もそれでいい?」
「うん」
よし、3人で行きますか。
俺はこの店のことなんも知らないから、冬乃についていくことにした。
冬乃は常連なんかじゃないかって思わせるくらい迷いのない足取りでどこかに向かってる。
「学園祭の景品のお菓子といえば駄菓子系だよね。ガムとかはやめといたほうがいいのかな?」
「あんまりガムは見ないよね……。冬乃ちゃん的にはどんなイメージある? 学園祭のお菓子で」
「そうだな……、『ステーキとチョコレートの青汁ミックスラムネ』とか?」
「あ、確かに!」
いや、どこが『確かに!』なの?
そんなの見たことも聞いたこともないんだけど。
そもそも美味しいの? それ。
ステーキとチョコレートと青汁って言ったよね? しかもラムネ。
味が全く想像できない。
「それなら向こうにあるよ! まずはそれを見よっか!」
「うん!」
そしてなんでこいつらはこんなに興奮してるんだ?
そんなに美味しいの? そのお菓子。
二人について行ったら、駄菓子コーナーっぽいとこまで来た。
見たことない駄菓子がたくさんある。
時間あったらじっくりと見てみたいな。
「――ここ!」
冬乃がどこかに走っていく。
水麗も走っていったから、俺も走った。
ヤバい、そろそろ疲れそう……。
「これだよ!」
冬乃が嬉しそうに、すぐ側においてある袋を掴む。
その商品名、『ステーキとチョコレートの青汁ミックスラムネ』だ。
マジであるんだ。
ステーキにチョコレートかけるのは聞いたことあるけど、それに青汁って……。
「これ、美味しいんだー!」
「冬乃……これ好きなんだ……」
「うん! 大好き!」
「……お前の店でもこれ置いてんの? 小学生以下に配るために」
「ううん。味と栄養素的観点からうちの店じゃ扱えない」
じゃあ学園祭でも扱うな。
しかも味と栄養素がヤバいって、結構なことだぞ?
せめて栄養素はきちんとしといてくれ。
「こっちは楽しそうでなにより……。……! 我のところも楽しいぞ!? ただ、我等もお菓子書いたかったな……。ではクイズだ! 『美月に兄弟または姉妹がいる。◯か✕か』。……ほぅ……」




