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第313話 学園祭準備 〜2〜

「前回のクイズの答えは『杏仁豆腐』だ!」

 ……よし、だいぶ終わったな。


 俺は切り取り終えた前崎先生を数える。

 10枚終わった。


 これを切り取る間ずっと集中してたから、色々痛い。

 まず目が痛いし、首も痛いし、手も疲れて痛い。


 俺はここらへんでやめよっかな?


 「あの、俺このへんで」


 俺はハサミと紙を持って学園祭委員に話しかける。

 学園祭のことはこいつらが仕切ることになってるから。


 「お、ありがとー。結構やったね」

 「10枚やりましたよ……」

 「お疲れ様ー。まだ余力ある?」

 「いや、正直ない。ダンボールにインク塗るとかいう系のやつはできると思うけど、細かいやつは無理」

 「じゃあ買い出し行ってきてくれない? おもちゃの銃とかカラーセロハンとか欲しいんだ」

 「あー、それならできる」

 「じゃあお願い。お金は立て替えといて。あとでクラス費から渡すから」

 「了解」

 「一応買い出し行く人二人決めてるからそいつらと行って」


 二人? 誰と誰だろう……。


 「室井と風崎だけど大丈夫?」

 「無理」


 即答しちゃった。

 あまりの早さに、自分でもびっくりしてる。


 だって行けるわけないでしょ、あの二人と。

 カップルの間に入るとか絶対無理。


 「ええ……。仲悪かったっけ?」

 「めちゃくちゃいいけど無理」

 「……じゃあ他の人と行ってくれない? 景品の軽いお菓子とか」

 「わかった」


 好きな人を選べるのか。

 なら、なるべく暇そうなやつを選びたい。


 暇そうなやつっと……。


 うん、冬乃だ。

 窓から景色見てボーッとしてる。


 「冬乃、暇?」


 そう話しかけると冬乃はゆっくりと俺を見た。


 「うん、暇。いやさ、聞いてよ。みんなのやつ手伝おうとしたら、『自分でできる』って言われちゃったんだよ。みんな効率よりも達成感を大事にしたいみたいだね。達成感よりお客様の満足度のほうが大事って気づいてないのかな?」

 「それに本当に気づいてるのはお前くらいだよ。さすが飲食店の娘」

 「それで、なんか用?」

 「ああ、一緒に買い出し行かない?」

 「え、行きたい!」


 途端に冬乃の目が変わる。

 ……楽しそうでなにより。


 「よし、わかった。できればもう一人くらいほしいんだけど……」

 「それなら任せて!」


 冬乃はそう言ってどこかに行った。


 次に帰ってきたときには、水麗を連れてきてた。


 「ちょっ、冬乃ちゃん!? 急になに!?」

 「水麗ちゃん! 買い出しだってよ! 行こうよ!」

 「え、買い出し……? なら行く」

 「水麗、お前……なんか作業中じゃなかった? それならそれを最後までやってから――」

 「いや、なんもやってない! よし、行きますか!」


 ……絶対やってたな、こいつ。

「……あのさ……私が大雅に告白してから一気に出番減ったよね!? 恋愛系のやつなんだから、もっと私たちのこと書いてよ! ……うん、じゃあクイズ。『美月は護身用に、なにを持ち歩いてる?』。……そういえば海波はもっと出番少ないのか……。かわいそ」

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