第294話 『ハンバーガー早食い』、練習?
「前回のクイズの答えは『大玉送り』だ!」 懐かしいな……」
マジで『ハンバーガー早食い』になっちまった。
全部水麗のせいだ。
でも、他のやつよりかはまだマシだから許せる。
練習しとくか、ハンバーガーの早食い。
水麗は『ロシアンパン食い競争』。
こいつは本当に大丈夫か……?
いや、そういえば『ロシアンパン食い競争』意外と人気だったな。
冬乃も美月もそれだし。
男子陣はみんな消極的だったな。
大雅は『笑わせ大会』、皆嘉が『コーラ一気飲み』、白斗も『コーラ一気飲み』だった気がする。
本当に体育関係ない。
「お兄ちゃん、さっそくハンバーガー早食いの練習する?」
「確かに今から頑張らなきなダメだな。今日の夕飯ハンバーガーにするか」
「……夕飯前にお腹空く自信ある?」
「まぁ、夕飯前なら空腹になるわな」
「……よし」
なにが『よし』なのかまったくわからない。
どうせ『夕飯までにお腹空かせとけ』って意味だと思うけど。
「――と、いうわけで準備できました!」
今目の前には大量のハンバーガーがある。
学校帰りに水麗に『寄りたいところがあるからついてきて』って言われて、見たこともないファーストフード店に連れてこられた。
「私が時間測っとくからお兄ちゃんは食べるのに集中してね」
「いや、ちょっと待て。これ食べるなんて聞いてないんだけど」
「? 言ってないから当たり前じゃん」
それはそうだけど。
多分こいつになに言ってももうダメだ。
仕方ない、練習だと思って食べるか。
「じゃ、行くよ? よーいドン」
そんな面倒くさそうに言うな。
もっと楽しそうに『よーい、ドン!』みたいに言ってほしいよ。
それでも水麗はもうスマホのタイマーで時間を測り始めてるみたいで、画面を集中して見てる。
さっさと食べなきゃな。
俺は大量にある中の一つだけを持って、包まれてる紙を取って食べ始める。
うん、美味しい。
中にピリ辛のソースが入ってて――
――? 『ピリ辛』……?
いや、これピリ辛じゃないよ!
なんかめっちゃ辛いんだけど!
「期間限定で激辛ハンバーガーがあったんだー。美味しい?」
「辛すぎて味わかんねぇよ!」
「やっぱツッコんでるときのお兄ちゃんもかっこいいな」
「意味わかんないし!」
冗談抜きで辛すぎる。
舌に刺ささるような感じ。
「先生から聞いたんだけどさ、本番ももしかしたら激辛になるかもだって」
「……は?」
「いや、『かも』だからまだわかんないけど。これで練習できるかなーって思ったんだけど」
「……わかったよ、やる」
俺は超頑張ってハンバーガーをまたかじる。
こんな辛いの久しぶりに食べたよ。
「我は『ロシアンパン食い競争』だ! なんか楽しそうだしな! ってか、大雅が『笑わせ大会』……。あいつに人を笑わせる能力なんてあるのか? ではクイズだ! 『康輝たちが1年生だったとき、体育祭と学園祭、どちらが先に行われた?』。どっちも楽しかったな、一部除いて。それと、作者から伝言だ! 『作者の都合により、再度活動を一時だけ(ほんの)中止させていただきます。作者の都合によるものです。本当に申し訳ございません』。休んでばっかだな、作者」




