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第287話 ひなたさんたちと合流

「前回のクイズの答えは『僕』だ!」

 なんとなく歩いてたらやっと美月たちを見つけた。

 みんなで仲良く池――ってか、川かな? の中にいる。

 俺と水麗とは対照的に、みんな楽しそう。


 「あ、康輝くん! いっぱい取れたんだ!」


 ひなたさんが最初に俺の存在に気づいてくれて、俺に手を振ってくれる。

 俺はなるべく笑顔をつくってみんなに近づいた。


 「ほら、これ!」


 ひなたさんが大きめのバケツを俺に見せる。

 その中には数匹の魚がいた。

 多分ニジマス。


 ……うん、美味そう。


 「ほら、これ、すごいでしょ!」

 「す、すごいね……」

 「……そうだ、ちょっと来てくれる? 美月ちゃん、これお願いできる?」


 ひなたさんがバケツを美月に渡して、池――いや、川かな? まぁ、そこから出る。

 俺はそれについていった。


 ……また有名女優と二人きりだ……。

 いや、嬉しいよ? 嬉しいんだけどなんか気まずい。


 だってねぇ、俺とひなたさんの出会いナンパだよ?


 「……ここらへん、やっぱ自然いいよねー」


 歩きながらひなたさんが喋る。

 みんな不思議そうな目で俺たちを見てたけど、ついてきてはない。


 「康輝くんって自然好き?」

 「まぁ、見ると落ち着く」

 「だよね、自然が一番いいよね」


 うん、自然が一番いいよね。


 「……だからさ、自然に笑いな?」


 ……は?


 ひなたさんの言ってる意味がわからないでいると、急にひなたさんが止まって振り向く。

 今のひなたさんの表情、無表情だ。


 「無理して笑ってるでしょ?」

 「……え?」

 「自然じゃないよね、さっきの笑顔」

 「ど、どういう意味――」

 「誤魔化さないで」


 ひなたさんが俺にさらに近づく。

 うわ、近いな……。


 整ってる顔だな……。


 「わかるよ、私は。なにがあったの?」

 「……まぁ、ちょっとあった」

 「水麗ちゃんとなんかあった?」

 「……よくわかるな」

 「なんとなく推測はできるよ。どういうことがあったかはわからないけど。相談できる?」


 うーん、相談していいのかな?


 「康輝くんは私の相談聞いてくれた。だから私は康輝くんの相談を聞かなきゃいけないの。その相談ができないやつだったら別にいいけど、できるなら相談してほしいな」


 ……優しいなぁ、ひなたさん。

 無理に『相談して!』って言ってないから。

 こっちのこともちゃんと考えてくれてる。


 あとさ、ひなたさんには申し訳ないけど、ひなたさんの話にあんまり集中できないな。


 こんな近くに有名女優いるのに集中できない。


 なんでかって?

 向こう側に知ってる人が3人いるから。


 しかもその3人、めっちゃ俺のこと見てる。

 ジーッて。


 その3人さ、先輩たちなんだよ。

 さっきわかれた先輩たち。


 先輩たちが俺たちのこと見つめてる。

 なんか嫌だな……。

「ニジマスの掴み取り楽しかったなー! 康輝たちはそういう感じじゃなかったみたいだけど。ではクイズだ! 『康輝と水麗がケンカしたのは、今回を含めて何回目?』。あの二人がケンカって想像つかないな」

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