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第370話 想い伝える?

「前回のクイズの答えは『味噌ラーメン』だ!」

 「意識するのが嫌なのか?」

 「うーん、なんていうか……、それで苦しいっていうか……」

 「それなら直接伝えてみたら? そうすればなんとかなるだろ」

 「マンガとかじゃないし……。本当にそんなんで大丈夫なのかな……?」

 「大丈夫、きっと」

 「でも大雅のことだから『恋愛なんて興味ない』とか言われそうで怖い……」

 「あー、大雅言いそう」

 「……康輝の言葉でさらに自信なくなったよ」


 え、俺のせい?

 俺は思ったことを言っただけなんだけどな……。


 嘘も方便ってやつ?

 嘘ついたほうがよかったかな?


 「それに想い伝えるなんて勇気ないし」

 「じゃあそのままにしとくの? ずっと伝えなくていいの?」

 「うん」


 あ、それでいいんだ。

 ここで『それは嫌だ。……だから私も勇気出す』とか言ってくれれば簡単だったんだけどな。


 ……うわー、今回難しいな。

 だって大雅だもんな、相手。


 「……思いつかなさそう?」

 「今はな……」

 「……そっか。ありがと、それだけ言いたかった」


 あ、これだけ言うためにここに呼んだんだ。

 ……いや、別に俺はなんとも思ってないけど。


 「じゃあ……康輝が帰りたいタイミングで帰って大丈夫……。ありがとう……」


 マジか。

 じゃあ帰ろっかな?

 女の部屋に長くいるもんじゃないと思うし。


 でも、まだ肝心なことを訊いてなかった。


 「美月、ひなたさんとキャンプ……」

 「? なんでひなたちゃんとキャンプ?」


 『ひなたちゃん』って呼んでんだ。

 仲良さそう。


 「メールで送ったやつに……」

 「? メール?」


 ……ダメだこりゃ。

 美月は不思議そうな顔をしながらポケットからスマホを出して画面を操作する。


 「……って、えええぇぇぇ!?」


 反応遅いよ。


 「康輝、マジ?」

 「マジ」

 「なんで最初に言ってくれなかったの!?」

 「メールで最初に言っただろ」

 「見てないよ!」


 見ろよ。

 なんのためのメール?

 それと、これ既読スルーよりひどくない?


 「い、行っていいの!? 私が!?」

 「ああ、そっちのほうがひなたさんも嬉しそうだし」

 「よし! わかった! 詳しく決まったらまた教えて!」

 「まぁ……」

 「ちょっと待って! 興奮しすぎてソワソワしてる! ランニングしてくる!」


 美月はそう言って部屋から出ていく。

 大丈夫かな? 事故とか遭いそうで怖いんだけど。


 それと、ここに残された俺はなにをすればいいんだろう……。

 無言で帰る?


 なんかそれも失礼だよね。

 かといって、美月はもういなくなっちゃったし。


 ……え、実質閉じ込められてる?

「ひなたちゃんとキャンプ楽しみだなー。キャンプ飯は我に任せておけ! ではクイズだ! 『この小説の本文の中に、『楓』という漢字がある。◯か✕』。ヒント、難しそうに見えて……? ……なんのヒントでもないか」

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