第262話 コンブ集めゲーム 〜1〜
「前回のクイズの答えは『◯、5人』だ!」
「おーし、お前ら! 俺がとてつもなく面白いゲーム考えてきたからみんなでやるぞ!」
10分くらい自由に遊んでたら、前崎先生が大声で言う。
「その名も、『コンブゲーム』だ! ルールは簡単! そこらへんに落ちてるコンブとか、それみたいな海藻集めるだけだ! 集めた数が最も多いやつが優勝だ! あ、海にあるゴミとかもカウントしていいぞ! あと生物とかもオッケーだ! みんなやるだろ! ってかむしろやってくれ! 俺、昨日の夜寝ないで考えたんだ!」
寝ないで考えたんだ……。
こう言っちゃあれだけど、5分で思いつきそうなことだな……。
「ちなみに、優勝者には俺が特別に1万円以内のなにかを奢ってやる!」
あ、それならやりたいな。
1万円はかなり大きい。
「無条件でみんな参加な! 制限時間は30分だ! よーい、スタート!」
いや、そんな急に始められても……。
白斗とか参加したがらなさそう――
って思ったけど、みんな一斉に散った。
それもみんなガチっぽい。
……金の力って怖いな……。
とりあえず、俺もやろっと。
なんかほしいし。
30分が制限時間だろ?
だったらなにか作戦とか必要だな。
なんも考えないでただひたすら落ちてるコンブを集めるだけ――名付けて『大雅作戦』じゃ上手くいきそうにないな。
なんで『大雅作戦』って名前にしたかというと、大雅はそういう感じだから。
多分今回の大雅もなんも考えないでただひたすら落ちてるやつ集めると思うよ?
でも問題は、どういうふうに集めるかだよな。
落ちてる海藻もいっぱいあるから、それを集めるのもよさそうだけど……。
いや、前崎先生の『生物とかゴミでもいい』って言葉がヒントかも。
もしそれを拾ったら『おー、康輝、そんなレアな生物捕まえるなんてすごいな! 加点!』とか『康輝、ゴミ拾いして偉いな! 加点!』とか言いそう。
よし、そうしよう。
まずは生物からだ。
生物なら砂浜とか海の中にいるよな。
最初は海にいるやつをさがそう!
俺は思いっきり海に潜る。
……うん、びっくりするくらいなんもいないわ。
この辺りは人間が結構入るから生物も来ないのか。
遠くまで行かなきゃダメみたいだな。
遠くまで行くの怖いなー……。
溺れちゃいそう。
よし、砂浜のやつをさがそう!
俺は海から出て砂浜に上がる。
さーてと、生物っと……。
……さっきからずっと思ってたけど、ずっと言わなかったこと言っていい?
夏の砂浜、めっちゃ熱い!
「1万円以内のなにか……。うん、ほしいな。それと、生物でもいいってことは、我が無双できるな。さっきから生物をさがしてたからどこにいるのかわかるんだ。ではクイズだ! 『美月は何部のマネージャー?』。我のクイズだな! それと、作者から伝言だ! 『もしかしたら12月の終わりと1月の初めのほうは投稿できなくなるかもしれません。お正月ですね……』。去年はちゃんと元日でも投稿してたけどな、作者は」




