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第26話 中間テスト、成績表

 「よし! めっちゃ良い点数!」


 成績表を受け取った大雅は叫ぶ。


 ……あいつ、この前は『赤点じゃなければいい』とか言ってなかったけ……?

 実は頭いいのか……?


 「なぁ、康輝! 見てくれよ、俺の成績!」


 大雅は興奮しながら俺に近づく。

 そして、自分の成績表を俺に見せる。


 ! こいつ……!

 ほぼ全部三十点代じゃねぇか!


 「お前……どこが良い点数なんだよ……」

 「は!? めっちゃ良い点数じゃねぇか! じゃあお前の点数見せろ!」

 「わかった」


 俺は成績表を大雅に見せる。


 俺の成績は全部八十点を超えている。


 「……お前、なんで喧嘩バカなのにそんな頭いいんだよ!」

 「キレんなよ。ってか、喧嘩バカと頭いいのは関係ないだろ」


 俺らがそんなくだらない会話をしてると、水麗が来る。


 「お兄ちゃん、どうだった?」

 「あ、水麗。康輝の点数見ない方がいいぞ」

 「ああ……私たちとは違う次元の人なんだ……」

 「そうそう……。俺たちだけで見せ合いっこしようぜ……」


 二人はそう会話し、俺から離れていく。


 ……なに、あれ……。

 俺何か悪い事した……?

 学校いるだけなのにあんなこと言われるなら、俺明日から学校行くのやめようかな……。


 「康輝、お主の成績はなんだ?」


 めっちゃ聞いたことある声が俺の隣から聞こえる。

 うん、美月がいた。


 「……お前な……」

 「? どうかしたか?」

 「なんでもねぇよ……」


 本当に……。

 てか、一応まだ授業中だぞ……。


 「お、お主、今疑問に思っただろ? なぜ我が授業中にここに来れるか」

 「……はい、思いました」

 「誰にも見つからずに行動することなど簡単だ」


 いや、授業中に教室出ることが間違えてるから。


 「あ、そろそろ戻らなくてはな。またあとでな」


 美月はそう言い、この教室から出ていく。

 ……本当に何がしたかったんだ……?


 「やった! 私の勝ち!」


 水麗の声が教室に響く。


 「うわ……ギリ負けた……」


 その次に大雅の声。


 そういえば、あいつら成績表見せ合ってるんだっけ……。


 ……ん?

 大雅『ギリ負けた』って言ってたよな……。

 てことは水麗の成績……。


 一学期の中間テストで赤点ギリギリって……。

 勉強しろよ……。


 てか一学期の中間テストって勉強しなくても赤点ギリには普通ならないだろ!


 そんなことを考えてたら誰かが俺の机にぶつかる。


 「あっ、ごめん!」


 ぶつかってきた相手は俺に言う。

 この声、聞き覚えのある声だ。


 ……いや、聞き覚えのあるような、ないような……。

 こんなこと考えてる場合じゃない。


 「お、おう……悪い」


 俺も謝り、相手を見る。


 それは新坂皆嘉だった。


 「!」


 俺が驚くと、その瞬間新坂皆嘉は足早でどこかに行ってしまった。


 ……今のあいつの声と表情……。

 俺が思ってたあいつのイメージと少し違った……。

皆さんの学校にはこういう人いましたか?


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