第258話 肉焼けた
「前回のクイズの答えは『将棋部』だ! もしかして、『囲碁・将棋部』と迷ったのは作者だけ……?」
みんなが来たから肉を食べ始めた。
うん、ちゃんと美味しい。
こういう感じの肉、久しぶりに食べた気がする。
水麗があんまり肉好きじゃないから、あんまりつくってくれない。
一応食べれるっちゃ食べられるみたいだけど、好んでは食べないらしい。
だから友達付き合いとかで焼肉行ったときはちゃんと食べてる……っぽい。
これ水麗情報。
それでも今はちゃんと美味しそうに肉食べてる水麗を尊敬してる。
あとついでに白斗は無言で食べてる。
メガネかけたまま。
「あれ、買い出し行ったのって康輝くんと海波ちゃんだよね?」
「ああ、そうだな」
「おいおい、俺のこと忘れてないか? 俺も一緒に行ったぞー。そして金は全部俺が出したんだぞー。だから『前崎先生も一緒行ったんですよね?』って言い直せー?」
「それでさ、このお肉のことなんだけど質問いい?」
すげーな……、冬乃……。
あの前崎先生をスルーしてる。
前崎先生をスルーしたくなるのはわかるくらいキャラ濃いけど、なぜかスルーできないんだよな。
「このお肉……、カエルだよね?」
「いや、カエル買ってないから。しかもそこらへんのスーパーとかってカエル売ってるの?」
「え、違うの? じゃあダイオウグソクムシ?」
「いや、それも売ってないと思う。しかもダイオウグソクムシってそんな肉の色してんの?」
「えー、でも絶対にダイオウグソクムシだって! 食べてみてよ!」
冬乃は無理やり箸で肉を食べさせる。
ちょい抵抗したけど意外と冬乃の力が強い。
これがラーメン屋の娘の力か……。
鉄鍋とか振ってるだけあるな……。
でも肉は美味しい。
ただわかるのは、これは絶対にダイオウグソクムシじゃないってこと。
「おー、冬乃、なかなか度胸あるな!」
前崎先生のその言葉で俺と冬乃の動きが止まった。
前崎先生の言ってる意味がわかんなかったから。
この感じからすると、冬乃もわかってなさそう。
「水麗の前で康輝に『はい、あーん』か」
「! 違う! そういうつもりでやったんじゃなくて……!」
それに『はい、あーん』ではなかったけど。
ただ食べさせてくれただけ、冬乃の箸で。
だけど水麗を見ると、冬乃を睨んでた。
軽い殺気を感じる……。
「み、水麗ちゃんごめん! 本当にそういうつもりじゃなかったの!」
「……いいよ、やりたい気持ちはわかるし。それに、あんま怒ってないし」
言葉とは裏腹に、冬乃を睨んでる水麗。
……初めてかも、水麗にこんなに恐怖したの。
「よし、我が次回、どういう感じになるか予想してみるぞ! きっと次回、冬乃は水麗に殺されるな! 冬乃も、水麗がいないときに康輝とイチャイチャすればいいのにな! ではクイズだ! 『美月は康輝に泣いてるところを見られたことがある。○か✕か』。なーんか嫌なクイズだな」




