第256話 焼きそば食べれた
「前回のクイズの答えは『✕』だ!」
焼きそばは完食した。
もちろん、アレンジしたのは最初の一皿分だけ。
あれは食べちゃいけないものって気づいた。
「うん、みんなよく食えてたな! 次は肉だ! また手伝ってくれる人募集するぞ! もう食えないやつは無理して食わなくていいし、遊んでていいからな!」
うーん、どうしよっかな?
遊ぶ気分でもないし……。
じゃあ手伝うか、今度は俺が。
「先生、俺も焼きます」
「あ、じゃあ私も手伝うよ」
「おー! 康輝も水麗もありがとな! じゃ、やるか!」
「それでは我は少し向こう側に行ってくるな。あっちのほうがいる気がする」
美月はそう言うとすぐにどっかに行った。
多分生物とか探すんだと思う。
美月がどっか行ったときに、他のみんなも海に向かっていった。
……今思えば、海で遊ぶほど時間あるかな?
もう鉄板はあったまってるし、肉なんてすぐ焼けると思うのにな……。
「いやー、嬉しいな、お前らが手伝ってくれるなんて」
「私はお兄ちゃんが手伝うので」
「俺じゃなくて康輝のことをおもって手伝うんだな。ま、それもいっか。康輝は? なんで手伝ってくれるんだ?」
「だって先生に作業してもらってる間に遊ぶのはなんか申し訳ないじゃないですか」
「……そうか、そういう優しとこ、俺はずっと好きだぞ? 昔からな」
? 前崎先生?
今なんか意味深な事言った?
「そういえばお前は花火が好きだったよな、一緒にやるか? 手持ち花火」
え、俺花火好きなの?
いや、まぁ楽しそうではあるけど、手持ち花火。
それより、先生はなんの話してるの?
「よし! さっさとやるか!」
前崎先生はそう言って買い物袋からなにか大きいものを出す。
めっちゃ分厚いステーキだ。
そういえばさっき買ってきたな……。
肉を買いすぎて、どういう肉買ったか忘れてるよ。
確かにこんなデカい肉なら焼くのに時間かかるな。
「先生は海入らなくていいんですか?」
水麗が先生に訊く。
「ああ、あとで入るぞ! 康輝と泳ぎたいしな!」
「俺ですか……」
「ああ! サメ追いかけっこしようぜ!」
いや、それじゃ俺たちが喰われちまうよ。
まだ死にたくないし。
「そういえば水麗、課題はいつ提出するんだ?」
「へ?」
「模試の解きなおし、お前だけ未提出だぞ?」
ああ、そんな課題あったな。
それより、水麗未提出だったのかよ。
「あっと……、今いいところなんですよ! ってか、私だけ未提出なんですか? 大雅とかは――」
「あいつは提出したぞ、今朝」
今朝かよ。
なんで今朝?
「ま、高校生は青春しなきゃな! 退学とか留年だけ気をつけて遊べよ?」
「はい!」
「よし、じゃあ課題は2学期のどっかで提出頼むな! よし、焼くぞ!」
前崎先生はそう言って鉄板に肉を置いた。
「サメと追いかけっこか! どうせならイタチザメとかホホジロザメとかとやってほしいな! 面白そうだ! ……これ以上言うとヤバくなりそうだからやめておくか。それではクイズだ! 『作中で、康輝たちが水族館に言っている描写がある。○か✕か』。水族館……」




