第252話 最初なにつくる?
「前回のクイズの答えは『11番』だ!」
いろいろと準備はできた……っぽい。
今、皆嘉と大雅が炭に火つけてる。
木炭見たの久しぶりな気がする。
そういえば最初なにつくるんだろう?
野菜とか焼きそばの麺とかいろいろ買ってきたけど、肉が一番多い。
前崎先生が肉好きなのかな?
「……よし、火準備できたぞ」
皆嘉の声でみんながその方向を見る。
確かに炭が赤くなり始めてた。
「よーし、先になにつくるか! ……あ、みんなすまんな! アレルギーとかよく確認してなかったな! アレルギーあるやついるか!」
確かにアレルギー確認してなかったな。
『小麦アレルギーです』とか言われたら焼きそば食べれないもんな。
しばらく経っても誰もなにも言わないから、多分みんなない。
「よし! なら最初に焼きそばがいい! こういうところでつくる焼きそばが美味いんだよな! つくるのは俺がやるから、遊びたいやつは遊んできてもいいぞ! あと、室井も生物とか観察してきていいぞ!」
「いや、我はずっとここにいさせてもらいます」
「なんでだ? 結構時間かかるぞ?」
「それでもここにいたいです」
「なんでだ?」
「焼きそばを食べたいからです」
……あ、そうだった。
美月はもうかわいそうな経験してたんだ。
そりゃこっから離れたくないよな。
もし離れたら誰かに食われるかもしれないし。
「そうか! なら室井は手伝ってくれるか? あと誰かもう一人くらい手伝いほしいな!」
「あ! じゃあ私もここにいたい! 野菜切りたいし! こう見えても、野菜ラーメンの野菜切るのは慣れてるんだよ?」
冬乃が早速袋から野菜を出す。
野菜切るの慣れてるんだ……。
「よーし、他のやつらは海で遊んできていいぞー! 更衣室が向こうにあるからそこで水着に着替えてこい!」
いきなり海か……。
でもみんなが海に入ってるのに俺だけ入らないってのはあれだからな……。
俺も久しぶりに運動するか。
最近運動不足だし。
俺は持ってきた荷物から水着を取り出し、それを持って向こうのほうにある建物に行く。
美月と冬乃、それから前崎先生意外のみんなもそこに向かってる。
更衣室までは結構近くて、すぐに着いた。
当たり前だけど、男子更衣室と女子更衣室でわかれてた。
俺と大雅、皆嘉と白斗が男子更衣室に入った。
「なぁ、康輝。言いたいことがあるんだ」
入った瞬間に大雅が言ってくる。
「どした?」
「お前、最近喧嘩してねぇだろ? 今度やらね?」
「死んでも嫌だ。そんなにやりたいなら、同類のやつとやっとけ」
「前崎の先生も意外と強そうだよな。やってみるか」
「退学になる覚悟でやれよ?」
本当に大雅は変わらない。
なんでだろう……。
「あー、早く焼きそば食べたいなー……。……いや、今度は我が大雅のぶんを食べても面白いな。ではクイズだ! 『大雅の好きな食べ物は?』。このクイズも久しぶりだな」




