第248話 先生が迎えに来てくれた
「前回のクイズの答えは『✕』だ!」
7月28日、午前8時52分……くらい。
俺は今水着とか用意し終えて、荷物につめてる。
今日が前崎先生と海に行く日だ。
『食い物とか飲み物とかいらないから水着だけ持ってこいよ〜』って前崎先生からメール来た。
なんか迎えに来てくれるらしいから、それまで家で待機になってる。
予定では9時くらいに前崎先生が来ることになってるからそろそろ来るかな?
さてと、最終チェックとかする――
「お兄ちゃん! 外に前崎先生いる!」
1階から水麗の声が聞こえる。
もう来たのか……、ま、時間通りではあるけど。
『今行くー』って大声で言ってから荷物を持って、1階に行く。
水麗も準備できてるみたいで、玄関にいた。
「あ、準備できた?」
「ああ。お前は?」
「できてるよ。じゃ、行こっか」
水麗はサンダルを履いて外に出る。
俺もサンダルにしよっかな? 海だし。
俺もサンダルを履いてから外に出る。
そしたらあらびっくり。
目の前に真っ赤な車があるじゃないですか。
しかも結構でかい。
めっちゃ人乗れそう。
車はあんまり詳しくないからわかんないけど。
「おう! おはような! さ、乗れ!」
運転席側の窓が開いて前崎先生が言う。
グラサンかけてる……。
……サングラスって言ったほうがいいのかな?
「ど、どこに乗っていいですか?」
「あー、真ん中のとこ。さ、乗れ!」
真ん中って……、あそこかな?
見た感じ真ん中のところにあるドアを開ける。
この列には誰も乗ってなかったから多分ここであってる。
水麗が先に入って、その次に俺が入る。
「おー、康輝! 私服だなー!」
後ろから聞こえてくる声。
この声って……。
振り向くと、そこには美月がいた。
美月の隣には海波。
「あ、康輝先輩、おはようございます」
お、丁寧だな。
さすが海波。
「じゃ、出発するぞー! シートベルトしめろー!」
前崎先生がそう言ったから俺たちはシートベルトを急いでしめた。
そのときに気づいたけど、助手席には皆嘉がいた。
「お、おはよな、皆嘉」
「ああ、おはよ」
「大雅たちは?」
「先に前崎先生が連れて行ってくださったらしい」
「あー、大人数だからわけて運んだのか。意味わかっ――」
俺が言ってる最中に、突然俺はシートに叩きつけられる。
急に車が発進した。
慣性の法則……、痛い……。
あと前崎先生、安全運転でお願いします。
……あ、運転するときはちゃんとグラサン外してる。
「安全運転で頼むぞ! 前崎先生! あとこれから海だ! 楽しみすぎるな! サメとかいるかな……? ではクイズだ! 『2年生のとき(今)、康輝は何組?』。覚えておるかー?」




