第247話 みんなで海行こ?
「前回のクイズの答えは『橋本康輝、石本叶太、日路香菜』だ!」
あっという間にもう明日から夏休み。
夏期授業とかはちょっとあるけど、めっちゃ休める。
もう2年生も前半が終わり始めてる……。
校長は相変わらず髪型がバーコードだった。
で、今はみんなで下校中。
うちの学校にはロッカーがあるから荷物ははだいたいそこにしまった。
だから荷物は重くない。
だけど海波は重そう。
汗めっちゃかいてて大変そう。
しかも皆嘉も海波の荷物を少しだけ持ってる。
「……海波……、大丈夫か……?」
目の端で海波を見ながら訊く美月。
「だ、大丈夫です……! このくらい……! 将棋部の意地を……!」
ここでなんで将棋部が出てくる?
あとあの部活は体力あんま使わな――いや、使うわ。
先輩たちと話すだけでも体力使うもんな。
……あ、そうだった。
まだみんなに海のこと話してなかった。
前崎先生と行くやつ。
今訊いてみよっと。
「あのさ、みんな夏休み海行きたくない?」
「イタチザメがいるところか?」
早速美月から質問が来る。
イタチザメって……、結構危ないサメだよね……?
「いや、安全なところ」
「ヒトデとかいるか?」
「それならいると思うけど……。それでさ、みんなで行かないかって話になってんだけど……」
「おー! なら我は行きたいな! 皆で海!」
「それって康輝くんが企画したのー?」
「いや、前崎先生」
俺がそう言った瞬間、みんなが黙り込む。
みんな口ポカーンって開けてるから面白い。
……あ、水麗はそんなことなかったわ。
「あの、前崎先生というのは……」
「うちのクラスの担任。英語教師。家でも結構話してるだろ? 俺が」
「あー、わかる。パンツ咥えながら走った夢見たあの人か」
いや、どんな人だよ。
ってか、前崎先生ってそんな夢見たの?
あと皆嘉、家でも前崎先生の話するんだ。
確かにあの先生だったら話題にしたら面白そうだけど。
「で、前崎の先生と一緒に行くってことか?」
「そうだな」
「へー……。なんか面白そうだから俺は行きてぇな。康輝は行くんだろ?」
「俺はな」
「……僕も行くよ。ちょっと気になることがある」
おー、白斗も一緒か。
それは面白そう。
「えー、白斗も行くなら私も行きたい! 海波ちゃんは?」
「え、私もいいんですか……?」
「いいよね! 康輝くん!」
「まぁ、人数は多いほうが楽しいし」
「じゃあ……、行きたいです……。皆嘉も一緒なら……」
よし、みんな行く感じだな。
前崎先生にあとでメール送っとかなきゃ。
「ほぅ、前崎先生、パンツ咥えながら走った夢見たのか。まぁ、夢はなにを見るかわからないからな。ではクイズだ! 『今回で前崎先生がパンツを咥えながら走った夢を見たとわかったが、作中で前崎先生自信がそのことを言っている描写がある。◯か✕か』。要するに、前崎先生が『いやー、俺パンツ咥えながら走ったんだんよね〜』って言ってたかどうか、だ!」




