第246話 ……説教?
「前回のクイズの答えは『③』だ! ……正確に言うと『名前は出てない』だな」
「……ここで大丈夫だ」
人通りが少ない廊下まで来ると、前崎先生は止まった。
ガチの説教っぽくて心臓バクバクいってる。
前崎先生にだけは怒られたくないな……。
「お前、夏休み空いてるか?」
「……まぁ……、多分……」
なんで夏休みのこと訊くの?
夏休みに反省会とか?
「ならさ、頼みがあるんだ」
「はい……」
「一緒に海、いかないか?」
「……はい?」
「海だよ、海。ピッチピチギャルがいっぱいいるような場所」
いや、ピッチピチギャルいっぱいいるの? 海って。
それよりなんで海?
海なんて行ったことない気がする。
「もちろん水麗や大雅も誘っていいぞ? で、どうだ?」
「そんなこと言われましても……、まだ予定空いてるかわかりませんし……」
「それならメールつないでおこう。今スマホあるか?」
「ありますけど……いいんですか?」
「ああ、ちょうどお前とメールしたかったし」
これっていいのかな……?
ま、俺も前崎先生とメールつないでみたかったからこれでいっか。
俺と前崎先生はスマホを出して、メアドを交換する。
つないじゃった……、先生とメール……。
「よし、ありがとな」
先生はそれだけ言ってどっか行った。
これでいいのか……。
「お兄ちゃん! 購買でラムネもらったから食べよ!」
前崎先生と入れ替わる形で水麗が来る。
手にラムネの袋持ってる。
『もらった』って……、『買った』じゃなくて?
「はい!」
中からラムネを一粒出して俺にくれる。
俺は礼を言ってそれを口に入れる。
うん、甘くて美味い。
そうだ、今水麗に訊こ。
海のこと。
「水麗、ちょっと訊きたいことがあるんだけど」
「好きなタイプ?」
「いや、海のこと」
「……海?」
「先生から誘われてさ、『みんなで行かない?』って」
「え、前崎先生と?」
「うん」
「……マジ?」
「マジ」
「……お兄ちゃんも一緒?」
「まぁ」
「それなら行きたい」
なんで?
前崎先生より俺なの?
いや、嬉しいけど。
それより水麗、ニッコニコだな。
本当に別人みたい。
その表情のまま教室に向かったから、俺も水麗についていった。
先生と海、ね……。
楽しそうではある。
それより前崎先生、最近おかしいよね……?
意味深な言葉ってやつ?
去年の体育祭とかも、学校に泊まるときも意味深なこと言ってた気がする。
大丈夫かな?
「ほー、海かー。いろんな生物いて楽しそうだな! 貝殻とかも結構レアなのあるからさがしてみたいな! ではクイズだ! 『学校に泊まるときの、実行委員3人は誰?』。楽しかったなー、あれ」




