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第245話 水麗がすごい

「前回のクイズの答えは『生物』だ!」

 今は授業中。

 しかも1時限目。


 なのにめっちゃ疲れた。

 疲れすぎて眠さを感じない。


 昨日のあれから、水麗が別人みたいに変わった。

 『落ち込んだ』とかじゃなくて『元気になった』だからいいと思うけど。


 でも元気すぎる。

 1年生のときの最初のほうの水麗……いや、それ以上になっちまった。


 朝から本当に大変だった。


 朝飯の前まではよかったよ?

 でもそこからヤバくなった。


 まず朝飯。

 今日は水麗が全部俺に食べさせた。

 『食べさせた』ってのは、『はい、あーん』ってやつ。


 箸で俺に食べさせた。

 あれは地獄だった。


 次に登校中。

 俺の片腕にしっかりと抱きつきながら歩かれた。

 しかも水麗はニッコニコ。


 本当に悪い言い方だけど、水麗重い。

 『全体重俺にかけてる?』ってくらい、俺に体重かけてた。


 しかも片腕だよ?

 両腕ならまだいい。

 だってそれで体重は支えられるから。


 片方だけ体重かけられたら傾いた。


 マジで疲労がヤバい。

 俺ってこんなにすぐ疲れる体質だったっけ?

 先生の話もきちんと聞けてない。






 「――お兄ちゃ―ん!」


 授業が終わってからすぐに来る水麗。

 こっちは元気みたいだ。


 「やっと1時限目終わったね!」

 「そうだな……」

 「元気ないよ? どうしたの?」

 「なぜか知らないけど元気出ない」

 「じゃあ話そうよ! そしたら元気出るよ!」

 「……その前に次の授業の準備しなくていいのか?」

 「……次……? ……あ、教科書忘れたかも。他のクラスの友達から借りてくる!」


 そう言って水麗は走って教室から出ていった。

 マジで元気だな……。


 「……水麗、なんかあった?」


 今度は皆嘉が来る。


 「元気出たらしい」

 「徹夜しすぎたときのテンションになってるけど?」

 「俺はさっきまでの疲れが全部今出てる」

 「……お疲れ……。気持ちはわかるよ」

 「お互い頑張ろうな」


 そんな会話をしたら皆嘉がどっか行く。

 この休み時間に寝よっかな?


 ……いや、眠くないんだった。


 「――康輝、ちょっといいか?」


 教室の出入口のほうから声が聞こえる。

 前崎先生だった。


 なんか険しい表情してるから多分笑えない話題なんだろうな……。


 説教?

 俺なんかしたっけ?


 ヤバい、身に覚えがない。


 最近の自分の行動を振り返りながら前崎先生のところまで行く。

 前崎ほ『ついてこい』だけ言って廊下を歩き始めた。


 ……マジで笑えないやつ?

「お、康輝、説教か? 康輝が怒られてるのを一度でもいいから見てみたいな。……こんなこと言ったら水麗に怒られる。このへんにしておくか。ではクイズだ! 『物語の冬乃の初登場時、冬乃に話しかけた人物の名前は? ①康輝、②柊菜、③、名前はない』。久しぶりの三択問題だな!」

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