第243話 病み上がりにラーメン屋
「前回のクイズの答えは『✕』だ!」
「……本当にいいのか……?」
「大丈夫大丈夫! どーせお客さん来ないんだし!」
「キミには目がついているのかい?」
放課後。
予定通り冬乃のラーメン屋に行った。
メンバーはいつもの7人。
海波はいない。
お客さんはいっぱいいる。
今日は定休日ってわけじゃないし。
満席になって待ちが出てるくらい。
それなのに俺たち、ここにいていいのかな……?
「みんないっぱい食べてね! あとさ、私が最近考えた『ピーナッツバターラーメン』も試してみる?」
ピーナッツバターとラーメン?
合うのかな?
食べるとしても今はちょっとやめとこ。
病み上がりだし。
「冬乃! あんたも手伝いなさいよ!」
厨房のほうから女の人の声がする。
若い人じゃなさそう。
「今友達といるの! 手伝えない!」
こっから叫ぶ冬乃。
「でも混んでるし人手不足なの!」
「私は友達との関係を大切にする!」
……本当に大丈夫?
「よーし、みんな食べよう!」
「……大丈夫か?」
「大丈夫だよ! 細かいこと気にしてるとなんも始まんないよ?」
そういうもんかね……。
まぁ、冬乃はこのキャラでいたがってるからなんか言うべきじゃないな。
「そういえばさ、みんな大学って行くの? 私は店継がなきゃいけない感じなんだよね……。康輝くんとか皆嘉くんはもう決まってそう」
「俺はまだ考えてないな。でも学校全体的に大学行く感じになってるけど」
「こっちは海波がうるさいから考える暇ないよ。『大学行くな』って」
え、そんなこと言うの?
海波が?
……あ、そっか。
海波は俺に接するときと皆嘉に接する態度違うのか。
それなら言いそうだわ。
「で、水麗ちゃんは? なんか考えてる?」
「ま、まぁ……ちょっとだけど……」
「へー! 行くの?」
「そう考えてはいるけど……、まだ悩みんでる」
「じゃあさ、康輝くんとかに相談したら? 康輝くんならなんかよさそうなこと言ってくれそうだし」
勝手にそんなこと言うな、なんかプレッシャーすげぇじゃねか。
ってか、水麗、大学行こうと思ってんのか。
……あと、今気づいたけど冬乃も俺のことおもってあんなこと言ってくれたのかな?
水麗が俺と話すチャンスくれたように見えた。
今、なんか話しにくい感じだから。
もしそれだったらありがとな、冬乃。
「『ピーナッツバターラーメン』か……。……まぁ、食べてみなきゃ味はわからないからな。見た目で判断するのは我はあまり好きではないし。ヒキガエルなんかもすごいのだぞ? 耳線から毒……いや、今は生物の話はやめてこう。ではクイズだ! 『前崎先生の名前は?』 。最近出てなかったな」




