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第233話 ひなたさんとお化け屋敷

「前回のクイズの答えは『ショッピングモール』だ!」

 なんだかんだあってお化け屋敷に入れた。

 入口からすんごい暗い。


 「うっわー、暗いね」

 「サングラスかけてるからもっと暗いんじゃない?」

 「あ、そっか」


 うん、絶対にそうだね。

 ま、サングラス外したところで暗いことには変わらないと思うけど。


 「ここなら安全だよね。うん、バレない」


 そっか、街歩いてるだけでも声かけられるのか。

 さすが大物女優。


 「そういえば去年の康輝くんの学園祭もお化け屋敷だったよね?」

 「あー、そうだったな……」

 「康輝くん撃つの楽しかったなー」


 ええ……。

 そういえば俺撃たれたな。


 あれは複雑な気持ちだった。


 「――うわぁぁぁ!」


 後ろからゾンビみたいな声がする。

 振り向いてみる。


 なんか真っ白に化粧された男の人がいた。


 ……悪いけど全然怖くない。

 だってもっと怖い体験いっぱいしてるもん。


 一人しかいないはずなのに二人に増えてた女の子、水麗と手を繋いだはずなのに知らない誰かと手を繋いでて、勝手に動くマネキン。


 今思うと俺呪われてんのかな?


 「……康輝くん、びっくりしないんだね」

 「まぁ……。それに、今は俺がゾンビですし」

 「あ、そっか。私はちょっとびっくりしちゃったな」


 あー、びっくりしたんだ。

 ひなたさんって完璧ってイメージが強くてこういうのにも動じない感じがあったけど。


 「じゃ、行こっか」


 怖がっててもちゃんと進むんだ。

 そういうところ好きだよ。


 ……あと気分悪い気がする。

 吐き気がする。


 でも頑張れば我慢できそう。

 せっかくひなたさんといるんだし、この時間を楽しみたい。


 ……あ、これ風邪とかインフルエンザとかだったらどうしよう。

 ひなたさんに移すかも……。


 どうしよう……。


 ……いや、絶対におかしいって!

 なんでこんな急に吐き気!?


 え、なにこれ、緊張?


 「……大丈夫?」

 「え?」

 「なんか苦しそうだよ?」


 なんでわかるの?

 俺ってそんなに顔とかに出る?


 「ま、まぁ……、大丈夫です」

 「それならいいけど……」


 あー、我慢しちゃった。

 でもここで『苦しい』なんて言ってもどうすることもできないし。


 だから本当に申し訳ないけど、お化け屋敷の内容本当に覚えられない。





 うん、予想通り、ちゃんと内容覚えられなかった。

 吐き気我慢するので精一杯だった。


 でも不思議なことにお化け屋敷から出た瞬間に吐き気がおさまった。


 本当に呪われてるのかな? 俺。

「ほう、また康輝のやつ変な目にあったな。かわいそうに。……あ、別に他人事とか思ってないよ? ……いや、思うのも別に悪くないか。それではクイズだ! 『学園祭で康輝のクラスの出し物で、皆嘉は何役立った?』。久しぶりに聞いた気がするな、『皆嘉』って」

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