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第231話 マスコットキャラ、終わった

「前回のクイズの答えは『学園祭』だ!」

 「お兄ちゃん、そろそろ休憩」


 ある程度やってたら水麗が俺の耳元でささやく。

 やっと休憩――って、『休憩』!?


 終わりじゃなくて!?


 「そろそろ代わりの人が来るから……。……あ、来たよ」


 水麗が俺の後ろを指差す。

 振り向くと、俺と同じメイクされた人がいた。


 「よし、これで終わりね。お疲れ様ー」

 「え?」

 「もう大丈夫だよ、あとはこっちでやるから。ありがとね」


 ……終わり?

 終わりなの?


 え、やったー……。


 その人は俺の代わりに『やぁ、来てくれてありがとう!』とか言ってる。

 ……子どもたちが見てる目の前でこんな交代シーンとか見せていいのかな?


 「お兄ちゃん、私たちは行こ」


 わかってるよ、今すぐにでもこのメイクを落としたい。


 水麗が歩き出すから俺は水麗について行った。


 「……お疲れ様! 大変だったね!」


 まぁまぁ離れて人通りが少ない場所になったら水麗が話しかけてくる。


 「ああ、水麗こそお疲れ。色々整理してくれてありがとな」

 「どういたしまして! あと一応もう1回白斗にもお礼言っといたら? 飲み物くれたんでしょ?」


 あ、そっか。

 白斗、飲み物くれたんだ。

 あとでお礼言っとこ。


 「……で、メイクはどこで落とすんだ?」

 「……え?」


 ……? いや、『え?』はこっちのセリフなんだけど。

 ちゃんと伝わらなかったのかな?


 「このメイク、これから落とすんだろ? どこで落とすんだ?」

 「え、しばらくそのままらしいよ?」


 ……え?

 しばらくそのまま?


 待って、頭が追いつかない。


 「柚子さんも用事でしばらく来れないみたいだからまだそのままでお願いだって」

 「いやメイク落とすのは誰でもできない?」

 「まぁ、その格好でお祭り回ってみようよ。面白そうだし」

 「ええ……」

 「それと超超超スペシャルゲストがいるんだよ!」


 超超超スペシャルゲスト?

 誰?


 「後ろに誰かいるから声だけ聞いて当てて」


 なにそのゲーム。

 地味に難しそう。


 「康輝くん! 久しぶり!」


 後ろから女の声が聞こえる。

 んー……、誰だっけ?


 「柚子さんから聞いたよ。メイク、柚子さんにやってもらったんだってね」


 あー、わかってきた。

 でも口調ってこれだったっけ?


 「誰かわかった?」

 「ああ、いし――」

 「あ、ちょっと名前は言わないで」


 また後ろから声。

 この反応はやっぱりあの人だ。


 「わかったみたいだね。じゃ、振り向いてみて?」


 水麗が言うから振り向く。

 そしたら帽子とサングラス、マスクしてる人がいた。


 うん、やっぱ石川ひなたさんだ。


 「久しぶりだね、元気だった?」


 石川ひなたさんはマスクとサングラスを笑ってニコッて笑う。

 久しぶりだな、ちゃんと話すのは。

「おー、とうとう終わったな。お疲れ様でした。ではクイズだ! 『康輝は作中で『ピーマン』という単語を言ったことがある。◯か✕か』。……なんだこの変なクイズは」

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