第230話 写真撮られた
「前回のクイズの答えは『楓野学園』だ! 意外と忘れてただろう?」
「あ、ありがとねー!」
「うん!」
小学校に入る前くらいの男の子がニコニコしながら俺から離れていく。
なんかめちゃくちゃ人気になってる。
写真撮る行列できてるくらい。
ちっちゃい子からお年寄りまで色々な人がいる。
水麗は宣伝とか列の整理とかしてる。
あと写真撮る係。
それより疲れた。
なんか飲みたい。
水麗に頼めば持ってきてくれるけど、その水麗は今向こうにいる。
しばらく苦しい状態で我慢しなきゃいけないのか……。
「――これ、水」
後ろから誰かが話しかける。
なんか聞いたことある声。
誰の声だっけ? この目立たなさそう声。
そう思いながら振り向くと、ペットボトルを持った白斗がいた。
「あ、なんだよ、お前か」
「僕で悪かったな。それより水だ」
「いいのか?」
「さっさと飲め。次の人が待ってる」
それもそっか。
白斗に礼を言ってからペットボトルに入ってる水を飲む。
冷たい。
「ありがとな、助かった」
「じゃあ頑張れ」
俺からペットボトルを奪ってどっかに歩いていく白斗。
なんか冷たいな……、白斗も……。
ってか、これ本当にいつまで続ければいいの?
さすがに疲れるよ?
さてと、次は女子高生かな?
なんか見たことある顔だけど……。
……って思ったら海波じゃん。
近くに皆嘉がいる気配はない。
一人でここ並んでたの?
「……康輝先輩……、すごいですね……」
その『すごい』はどういう意味?
多分複数の意味あるよね?
「一人?」
「一人です」
「皆嘉は?」
「知りません」
あー……、海波って皆嘉に対して冷たいんだっけ?
「おー、海波ちゃん! 来てくれたんだね!」
「康輝先輩が活躍してる姿見たくて」
「あーっと……、ごめんね。お兄ちゃん、あんま活躍してないんだ」
なんかひどい言われようだな。
俺だって頑張ってるわ。
「でもメイクすごいですね。写真撮っていいですか?」
「もちろん! 一緒に撮る?」
「いいんですか?」
「うん! スマホとかカメラ貸してくれれば」
黙ってポケットからスマホを出す海波。
そしてちょっとだけ操作して水麗に渡す。
水麗はそれを横に持って俺に向ける。
その間に海波は俺の隣に来る。
……なんか気まずい……。
「海波……、康輝と写真撮れてよかったな……。我も撮りたかったぞ……。ではクイズだ! 『1年生のとき体育祭と学園祭、どっちが先にあった?』。両方楽しかったぞ!」




