第222話 お祭り興味ない?
「前回のクイズの答えは『◯』だ!」
「康輝くん、お祭りとか興味ないかな?」
翌日、父さんに急に言われた。
今日は父さん休みで家にいる。
「お祭り……?」
「うん。すぐ近くの神社でお祭りあるのは知ってる?」
「この時期に? 夏休みとかはよくやってるの見るけど」
「実はすぐ近くにやるらしいんだ。それでスタッフをさがしてるらしいんだけど、康輝くんもやらないかい?」
マジか……。
それよりスタッフってなにやるの?
俺にできることならやるけど。
「市役所からうちにその誘いが来てね、せっかくだからどう?」
市役所から出るんだ、そういうの。
「水麗もやるらしい」
「あ、じゃあやってみたい」
「よし、言ったね? 言ったからね? 『やる』って言ったの康輝くんだからね!」
なにその再確認。
めっちゃ怖いんだけど。
父さんはそう言ってどっかに行った。
なんかヤバそうなやつだな……。
「おー、お兄ちゃんもやってくれるみたいだね」
気づいたら後ろにいる水麗。
急に後ろから話しかけんなよ。
「でもお父さんの圧もすごかったね。『絶対やれ』って感じがしたし」
「まぁ、水麗もやるなら俺もやってみたいってのは素直に思ったけど」
「私も楽しそうとは思ってるんだけどね……。お父さんのあの反応からすると、なんかある」
「そっか」
「あんなにニヤニヤ笑ってるときなんて、キャバクラ行ったときと、面倒くさいこと私に押し付けてくるときだけだもん」
あー、キャバクラ……。
そういえば父さん、体育祭でキャバ嬢の名刺持ってたな。
それのおかけで借り物競争はなんとかなったけど。
それよりあのとき受け取った白斗の気持ちが知りたい。
「水麗はどう思う? スタッフってなにやるかな?」
「焼きそばとかつくったりするんじゃない? お兄ちゃんにとっては地獄だと思うけど」
「そんなでもない」
「いや、そのお祭り多分美月ちゃんも来るよ。焼きそば焼いてるお兄ちゃんの姿見たら、美月ちゃん怒っちゃう」
いや、そんなことで――
――いや、怒るな。
あいつバーベキュー行ったとき焼きそば食べれなくて落ち込んでたんだ。
「ま、お兄ちゃんが一緒ならきっと楽しいよ。頑張ろ?」
なんで俺が一緒なら楽しいの?
「それより昨日の疲れがまだとれてないな……。お兄ちゃんはとれた?」
「まぁ、少しは」
「えー、ずるい」
「そんなこと言われてもな……」
ってか、オールしても余裕とか言ってなかったっけ?
「焼きそば……、絶対につくるなよ……。ではクイズだ! 『康輝は水麗、大雅、美月、皆嘉、白斗、冬乃、海波の全員と遊びにいったことがある、◯か✕か』。最近◯✕クイズが多いな」




