第200話 階段のぼり
「前回のクイズの答えは『◯』だ!」
一斉に追いかけてくる鬼たち。
めっちゃ速い。
「美月、逃げるぞ!」
「わかってる!」
俺と美月は全力で階段をのぼる。
……いつものスピードが出せない……。
さっきからずっと水道管の上とかに乗ってるからな……、脚がそろそろ限界……。
日々運動しとけばよかった……。
「……康輝、遅くなったね」
俺と並走してる美月。
「最近全然運動してなかったからな……」
「そっか。ちゃんと運動しなきゃダメだよ?」
なんで今俺説教させられてるの……?
それより後ろだ。
こんな呑気にしてる場合じゃない。
俺は一瞬だけ振り向く。
鬼がめっちゃ走ってる。
それにめちゃくちゃ速い。
「うわっ、美月! なんかすんごい来てるぞ!」
「え、どれどれ?」
美月も振り向く。
正直言うと、めちゃくちゃ怖い。
だって鬼の仮面被ったやつが追いかけてくるんだよ?
怖すぎだろ。
「キャハハハ! ホラーじゃん!」
爆笑してる美月。
……そういえばこいつ、ホラー好きだったな……。
ってか、今笑ってる場合じゃないだろ。
「美月、どこまで逃げる?」
「とりあえず3階あたりで階段から抜けよう!」
3階か……。
今は1階にいる。
3階に行くまでに追いつかれなければいいけど。
いや、今は考えてる場合じゃない。
とにかく走り続けなきゃ。
そうだ、無心で走り続けよう。
……2階……、3階……。
よし、階段から抜けよう。
俺と美月は同時に階段から抜ける。
嬉しいことに、廊下に鬼はいなかった。
とりあえず空いてる教室に入って隠れよう。
近すぎるとダメだ。
まぁまぁ離れたところに……。
「康輝、こっち」
美月が教室に入る。
俺もとりあえずその教室に入った。
段ボールとかクローゼットとか、色々置いてある。
なんでこんなところにあるのかはわからないけど、とりあえず隠れる場所はたくさんある。
美月はクローゼットの中に入った。
俺も隠れる場所……。
「――多分この教室だ!」
廊下から声がする。
絶対鬼だ。
ヤバいヤバい、どこに隠れよう……。
「康輝」
クローゼットから美月が手を出して、俺の制服を掴んだ。
そして引っ張ってくる。
俺はただ引っ張られて、クローゼットの中に入った。
高校生二人が入るとちょっと狭い。
美月はクローゼットのドアを閉める。
「喋っちゃダメだよ」
美月のささやき声が聞こえる。
暗くてよく見えない。
……なんだこの状況……。
絶対水麗に怒られる……。
「第200話! 第100話を投稿したのが最近に感じるな! うん、第100話より盛り上がらないな! ではいつも通りクイズだ! 『一人称が『僕』なのは誰?』。うーん……」




