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第2話 初めての二人だけの夜

 午後7時


 俺は部屋で荷物を整理し終わった。

 そのとき、ドアがノックされる。


 「お兄ちゃん、ご飯だよ!」


 水麗の声がした。

 どうやら俺にそのことを教えにきてくれたらしい。


 「おう、今行く」


 俺はそう言い、部屋を見渡してからドアを開ける。


 そこにはエプロンをつけた水麗がいた。

 そして右手にはしゃもじを持っている。


 「? お前が飯つくってくれたのか?」

 「うん。いつも私がつくってたんだ」

 「そうか、父さんと母さんは?」

 「まだ帰ってきてないよ」


 水麗はそう言い、1階に行く。

 俺も水麗についていく。


 そういえば俺、腹減ってたんだ。


 机には二人分の食事が用意されていた。


 米と味噌汁と鮭だ。

 全部美味そう。


 「もう食っていいのか?」

 「うん、どうぞ」


 水麗は相変わらずの笑顔で言う。


 俺は箸を持ち、そのまま鮭を掴み、口の中に入れる。


 ……! 美味い!

 俺は思わず鮭を見つめる。


 「おいしい?」


 水麗が俺の顔を覗き込んで言う。


 「あ、ああ! どうやったらこんな美味いものつくれんだ!?」


 俺は素直な感想を言う。

 そして米を口の中に放り込む。


 こんな美味いもの初めて食べた。

 下手すればどっかの高級料理店より美味いぞ。


 ……ま、高級料理店なんか行ったことないけど。


 気が付けば俺は完食していた。


 少食の俺がこんな早く食べ終えるなんて……。


 「あ、アイスあるよ? 食べる?」

 「あ、うん」


 遠慮するのを忘れた。

 まぁ、もう家族だからいっか。


 水麗が俺に渡してくれたアイスはラムネ味のアイスキャンディーだった。


 普通に美味い。


 「お兄ちゃん、このあとお兄ちゃんの部屋に行ってもいい? そういえばまだ連絡先交換してなかったよね?」

 「ああ。是非」


 俺らはそのあと、俺の部屋に行き、雑談やゲームをして遊んだ。


 しばらくして、俺に電話がかかってきた。

 母さんだ。


 「どうした?」

 『水麗ちゃんと仲良くしてる?』

 「うん、楽しくやってるよ」

 『そっか。水麗ちゃんが、かわいいからって手出しちゃだめだよ?』

 「出さねぇよ! もう家族だし!」


 俺はそう言い、電話を切る。


 時計を見ると、もう10時。

 そろそろ寝るか。


 「水麗、悪いけどもう寝る」

 「あ、うん。おやすみ」


 水麗はそう言い、俺の部屋から出ていく。



 翌日


 「……んん……」


 俺は目を覚ます。


 「おはよ、お兄ちゃん!」


 隣から声が聞こえる。

 聞き覚えのある声だ。


 俺は眠い中、頑張って目を開ける。


 そこには……水麗がいた。

水麗の料理……

一度食べてみたいですね……

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