第198話 美月と合流
「前回のクイズの答えは『祭処(縁日なども可)』だ!」
「なっ、康輝……!」
教室に入ると美月がいた。
窓から入ってきた俺にびっくりしたらしい。
「美月か、いてよかった」
「康輝も逃げてたんだね」
地声の美月。
やっぱり高いな……。
「さっき皆嘉とも一緒にいたんだけど……」
「……皆嘉は捕まった」
「え……? 捕まった……? 見たの……?」
「狭い教室で、数人の鬼に囲まれてて逃げれると思うか」
「…………」
美月は黙り込む。
察したみたいだ。
「皆嘉のおかげで俺は逃げてれてる、多分。だから絶対に逃げ切ろう」
「そうだね。うん、そうだ。皆嘉、私を助けてくれたの。私を逃がすために色々してくれて、転んじゃってたんだ……、皆嘉」
そっか、そのときに転んで怪我したのか。
あの血の量は痛いだろうな……。
「とにかく、ちょうど上の教室で皆嘉が捕まった。すぐ近くに鬼がいる。だから逃げるぞ」
「……そうだね!」
美月は力強くうなずく。
なんか覚悟したような目をしてる。
俺は出入り口から頭だけ出して廊下を見る。
誰もいない。
「誰もいない、行くぞ」
「うん」
俺たちは廊下に出る。
「どこに行くの? ずっと廊下にいるとバレる」
「みんながいそうな場所かな……? となると――」
「地下体育館だよ、みんないるの」
地下体育館?
地下4階にある?
あんなとこに人なんているのかな……?
でも確かにあそこなら倉庫とか隠れる場所はいっぱいある。
「そうだな、行こっか、地下体育館」
「うん。……そういえばさ、地下2階って行ったことある?」
「地下2階?」
「うん、廊下があってさ、そこに教室があるんだけど」
「行ったことないな」
「そこの教室、なんだと思う?」
歩きながら美月が喋る。
なんか喋り方が……、いつもと違う。
「そこ、女子更衣室なんだよ〜」
……うん、それがどうした?
「今なら誰もいないよね? のぞいてみる? 興味あるんじゃない?」
……なんなんだ、この美月。
「いや、いい……」
「……やっぱ康輝、そういうの断れる人なんだね。駅の近くにキャバクラとかいっぱいあってさ、勧誘とかしてる人よく見るんだよね。その勧誘された人、みんな入っちゃうんだよね」
「まぁ……、日々色々疲れてんだろ。そのくらいのストレス発散しないとやっていけなんだと思う」
「そうだよね」
……なんだこの会話。
今するべきものじゃない。
あと沈黙になるのやめよ?
なんか気まずいじゃん。
俺たちは無言のまま、地下体育館に向かった。
「作者の期末テストが無事(?)終わったので、これから投稿を再開します! それより、我と康輝がやっと合流できたな! うん、ではクイズだ! 『白斗の名字は?』。ほぅ……、なんか最近出てこなかったか? 気のせいかもしれないけど」




