第191話 逃げ切りたい
前回のクイズで謝りたいことがあります。
前回のクイズは『康輝の好きな食べ物』でしたが、作中にそんなシーンなかったと思います。
水麗の好きな食べ物しかありませんでした。
本当に申し訳ございません。
次回からこのようなことがないように努めていきますので、これからもよろしくお願いします。
閉じ込められた。
逃げ場は……、教室の中にはないかな?
鬼の数は2体。
頑張れば逃げれそうだけど、多分数人は捕まる。
「……康輝、ちょっと話していいか?」
鬼を見ながら話しかけてくる大雅。
「俺とお前は多分、逃げる側でもかなり強いほうだと思う」
「……つまり?」
「俺とお前はどんな状況でも逃げ切れる気がするんだ」
「まぁ、そんな自信はある」
「今ここで捕まるにはもったいないなさすぎる。絶対に逃げ切るぞ」
「入り口塞がれてっけど?」
「絶対に鬼が来なさそうなところはどこだ?」
「……なるほどね」
俺は入り口から離れる。
つまり、窓にくっつく。
そしてさりげなく窓を開けた。
水麗はそんな俺を凝視してる。
多分、俺がなにをしようとしてるかもうわかってる。
「行くぞ、康輝」
大雅は窓から外に出る。
そして外にある水道管の上に乗った。
なんか野太いやつ。
そしてそれ以外にも足を乗せる場所はある。
俺も大雅みたいに窓から外に出る。
そして水道管の上に乗った。
……壊れないよな……?
そして上を見る。
水麗はもう見えなかった。
多分うまく逃げた。
「康輝、ここは目立つ。非常階段まで行くぞ」
大雅が歩き出す。
だから俺も歩き始めた。
色々移ったりして、非常階段の上まで行けた。
外から丸見えだけど、まだしばらくは大丈夫だろう。
「康輝、誰か怪しいやついたか?」
「んなこと言われても……」
「お前が言いやすいように二人になったんだぞ? お前頭いいからわかっだろ?」
「わかるわけねぇだろ。しかも白斗のほうが頭いいし」
大雅は座る。
座ったらすぐ逃げれなさそうだけど……、ま、大丈夫か。
俺も大雅の隣に座る。
「康輝、正直に答えろ。お前はどっちだ?」
急に訊いてくる大雅。
『正直に』か……。
「俺も正直に言う。同時に言おう」
「わかった」
俺は深呼吸をする。
……大雅がこういうこと訊くってことは、大雅は『裏切り者』の可能性があるって思っていいのかな?
ま、いいや。
今はとにかく言おう。
「「俺は『裏切り者』じゃない」」
俺と大雅が同時に言う。
……同じ答えみたいだ。
「よし、とにかく信頼していいやつが増えた」
「もともと信頼してなかったのかよ……」
「俺はとにかく勝負するなら勝ちたいんだ」
「気持ちはわかるけど……」
「じゃ、二人で行動しようぜ」
大雅は俺に手を差し出してくる。
俺は黙って大雅の手を握る。
……大雅ってこんなキャラだったっけ?
成長したのかな?
「大雅……! なんか成長しておる……! なんか嬉しいぞ……! ではクイズだ! 『水麗の好きな食べ物は?』。今回はちゃんと解答があるぞ……? 本当に申し訳ませんでした」




