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第190話 証明?

「前回のクイズの答えは『✕』だ!

 「じゃあ言い出した私から言うね! 私はね! 1年生のときの定期テスト、合計30点だった!」


 ……そういえば昔、そんなこと言ってたな……。

 ってか、それと今は全然関係ないし。


 「あ、今『関係ないでしょ』って思った人いる?」


 はい、思いました。


 「よーく考えてみて? 仮に私が『裏切り者』とするよ? そのくらい頭悪い人がさ、こんな自分から暴露すると思う? 言ってる意味がわからない人、いるよね? 私は今、『自分が裏切り者じゃないことを証明してもらう』ってことをしてる。でも私は『裏切り者』。それなら嘘をついて、私が『裏切り者じゃない』って証明しなきゃいけない。テストの合計点数30点の人がそんなことできると思う?」


 うーん……、まぁ……。

 それより、よくそんなスラスラ言葉が出るな。

 接客に慣れてるからかな?


 「……なんか頭良くなったか? お前」


 冬乃に近づく大雅。


 「よくそんなこと思いついたな。お前頭悪いからそんなこと考えるとは思わなかったぜ」

 「え、あ、いや……」


 なんか『ヤバい!』って顔してる冬乃。

 確かに、そんなこと思いついてスラスラ綺麗に説明できるってことはすごいな。


 「た、たまたま! ね! 康輝くん!」


 俺に任せやがった……。


 「それより、証明しようよ! 私の証明は終わり! 次、白斗!」

 「僕か……。じゃあするよ、『証明』」


 地味にかっこいい言い方だな……。


 「僕はなにも渡されなかった、以上」


 え? それだけ?

 そんなのみんな言えるじゃん。


 「逆に冬乃、僕は『一人ずつ証明する』なんて考え、よくないと思う。時間の無駄だし、証言なんてみんな同じになる。『裏切り者だったらこんな人が多いところに行っても、鬼に伝えようとしたらバレるから、こんなところ来ない』とか」


 確かにそうだな。

 みんな同じになる。


 「――そういえばどうやって『裏切り者』を対処するんだ?」

 「3階にある箱に、『裏切り者』の名前を書いた紙を入れるんだ。そしたら『裏切り者』は退場になる」


 大雅の質問で、久しぶりに皆嘉が喋る。


 本当に久しぶり――じゃなかったわ。

 この前バリバリロッカーで海波と喋ってたわ。


 「紙ってどこにあるんだ?」

 「ところどころに落ちてるらしい」

 「へー」


 自分から訊いといて、『俺は関係ない』みたいな感じに言う大雅。

 せっかく皆嘉が喋ってるんだから聞いてあげようよ……。


 「じゃ、次は俺が――」

 「捕まえろ!」


 皆嘉が喋ってると、ドアから鬼の仮面をした生徒が入ってくる。

 出口にも入り口にもいる。


 挟み撃ちか……。


 さてと、どうするか。

「なんか終わってしまったな、『証明』! うん、感想はそれくらいだ! ではクイズだ! 『康輝は作中で、好きな食べ物はなにと言った?』。……なんか前にあった気がする……このクイズ……」

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