第188話 『裏切り鬼ごっこ』のルール説明
「前回のクイズの答えは『◯』だ!」
「では、ルールを説明します!」
俺の隣にいる日路香菜の声が響く。
そして、俺の隣には石本叶太もいる。
他のやつらは下で座ってる。
「これから『裏切り鬼ごっこ』を始めます! ルールは簡単で、普通の鬼ごっことほぼ同じです! 違うところは、『裏切り者がいる』ということです!」
めっちゃ叫んでる香菜。
……マイクって使っちゃダメなのかな?
マイク使ったほうが楽な気がするんだけど。
「『裏切り者』は逃げる側にいます! そして『裏切り者』は鬼に、逃げてる人の場所をメールで教えることができます! 『裏切り者』は鬼と、『裏切り者』自身にしかわかりません!」
へー、そうなんだ。
ま、そりゃそっか。
「それでは誰がどの役になるかを決めたいと思います! 今からくじを引いてもらいますので、それに従ってください! また、それを他人に絶対に見せないでください!」
香菜がそう言うと、数人の先生方がでっかい金属でできた箱を前に持ってくる。
その箱の上には、手が入る程度の穴が空いていた。
こんなものまで用意してたのかよ……。
「では、順番に引いていってください!」
みんなが順番に箱の中に手を突っ込んで、折りたたまれた小さな紙を取り出す。
ドキドキするだろうな……。
5分くらいして、みんなが引き終える。
俺たち3人も引いた。
俺は『子』って書いてあった。
『子』っていうのは逃げる側らしい。
『裏切り者』とか書いてなかったから、俺は普通の逃げる側らしい。
っていうか、『裏切り者』は鬼にメールするんだよな?
どこで携帯電話とか渡すんだろう。
「これが始まるのはあと10分後。その間に『裏切り者』と『鬼』にスマホ渡すらしいよ?」
俺の考えがわかったかのように、叶太が言う。
よく俺の考えてることがわかったな……。
そんなに俺って顔に出やすいかな?
自分のことはわからないよな。
「それでは皆さん、目隠しをしてください!」
? 目隠し?
「ああ、渡し忘れてたよ。はい、これ」
叶太が俺に黒色の目隠しを渡す。
他のみんなはもともと持ってたみたいで、それで目を隠す。
「では先ほどの紙を胸の前に持っていってください! 文字を他人に見せるように持ってください!」
俺は急いで目隠しをする。
そしてさっきの紙を胸の前に持っていく。
……これはなんの意味があるのかな?
「――では、はずしてください!」
香菜が言う。
俺は目隠しをとった。
みんな特に変わってない。
いや、なんか手に仮面持ってるやつがいる。
「今皆さんが目隠しをしてもらってる最中に、『鬼』と『裏切り者』にスマホを渡しました! そして鬼の方には仮面も渡しましたので、今仮面をつけてけださい!」
香菜の声が響いた。
すると、4分の1くらいの生徒がなんな持ってた仮面を出す。
鬼の仮面……?
そしてそれを顔につけた。
香菜も仮面をかぶってた。
「では今から3分後に鬼が動きます! 逃げてください!」
仮面をかぶってない生徒が一斉に逃げる。
……あ、これ俺も逃げたほうがいいやつか。
「とうとう始まったな! なんか楽しみだぞ! ではクイズだ! 『『し』から始まる、作中でなかった学校行事は?』。……し……」




