第180話 会議?
「前回のクイズの答えは『第15話』だ!」
「では、会議を始めましょうか」
なんか第2会議室ってところの椅子に座ってる俺。
この部屋には俺を含めて3人の生徒がいる。
一人は去年の俺のクラスの委員長。
学園祭でめっちゃしきってたのに、なんもしなかったやつ。
もう一人は普通の男子生徒。
俺の知らないやつ。
「まず自己紹介しておきます。日路香菜です。2組で委員長ですね」
え、なに、こいつまた委員長やってるんだ。
ってか、こいつの名前意外とかっこいいな。
『ひのみち』って……。
「次は橋本さん、あなたですよ」
あ、次俺なんだ。
「橋本康輝です。今は1組です」
「なんか変わってませんね、あなたは」
逆にこの短い間で変わった人いるの?
ってか、俺のことを全部理解した感じに言わないでほしいな……。
「――あ、次は僕か」
残った一人の男子生徒がため息をつく。
なんでため息……?
「僕は石本叶太。よろしく」
石本?
なんかどっかで聞いたことある名字だな……。
「橋本康輝くん、だっけ? 体育祭で兄さんがお世話になったね」
体育祭?
去年の?
ってか、お前の兄さんなんて知らねぇよ――
――いや、待って、知ってるかも。
「覚えてない? 『ドッジボールもどき』で熱戦してたけど」
やっぱり。
こいつ石本先輩の弟だ。
「なんか思い出したみたいだね。じゃ、よろしく」
石本先輩って弟いたんだ……。
「今回私たちが実行委員になったみたいですね。というわけで、学校での宿泊会でなにをするのかを考えたいと思います」
学校でなにをするか、ね……。
特に思いつかないな……。
「私は無難に鬼ごっこがいいと思います」
「でもさ、普通の鬼ごっこじゃつまんないよね。だから『騙し合い』とか面白そうだよね」
騙し合い……?
どういうことだ……?
「逃げる側のうち数人が鬼の仲間で、鬼に逃げてる人の居場所をメールとかで教えるんだ」
おお、それは普通に面白そう。
やってみたい。
「では、先生にそう伝えておきます。本日は解散しましょう」
あ、もう解散なんだ。
早いな。
香菜と叶太が椅子から立ち上がって、部屋から出ていく。
……さてと、今日は一人で帰るかな……。
水麗も部活だし。
俺はそう思いながら部屋から出る。
……あ、教室に筆箱忘れたかも。
奇跡的に隣が2年1組の教室。
……? 電気がついてる?
なんで?
俺は教室に近づく。
そしたらなんか泣き声が聞こえる。
誰か泣いてる……?
俺は教室の後ろのほうの出入り口から中を覗く。
女子生徒が席に座りながら泣いていた。
あれって……、冬乃……?
どうしよう……、筆箱諦めて帰ろっかな……。
そうしようとしたら壁にぶつかって、『ゴン』って鳴る。
急いで振り向く冬乃。
めっちゃ泣いてた顔してる。
……どうしよう……、なんか気まずい……。
「冬乃……! 何故泣いておる! ……それより気になったことがある。『日路』って名字、初めて聞いたな……。ではクイズだ! 『大雅は康輝の家の中に2回以上入ったことがある、◯か✕か』。1回ではなく2回だぞー!」




