第18話 初の勉強会?
あれから数週間が経った。
特に変わったことはなく、普通に楽しい学校生活だったと思う。
そして、地獄が来た。
学生といえば勉強、つまりテスト。
テストといえば中間テスト。
これが始まってしまった……。
それを聞いたのは、さっきの終礼のときだった。
「あ、二週間後中間テストな」
先生がそう言ったのだった。
……ヤバい、全然勉強してない……。
数Aとかまじで分からない。
「困っておるみたいじゃのう」
……この声、美月か……?
「あ、ああ……。ヤバい……」
「では共に勉強しないか? 我も結構追い込まれていてな」
俺は美月を見る。
美月は少し笑っている。
「……てかお前、ここ一組だよな……?」
「? 我が一組に居てはならぬのか?」
「……なんでもねぇ」
そうして俺は立ち上がる。
「……お前なぁ……」
「? どうした?」
「なんでここでなんだよ!」
俺は美月に怒鳴る。
……だってここ……美月の家の……美月の部屋だから……。
「なぜそう怒鳴る? 女の部屋は初めてか? お主には水麗という妹がおるだろう」
「…………」
「何か飲むか?」
美月はそう言い、部屋の中にある冷蔵庫からペットボトルの中に入っているコーラを出す。
……部屋の中に冷蔵庫……すげぇ……。
美月はペットボトルを開け、コップに注ぐ。
そして、それをテーブルに置く。
「お主、イチゴは好きか? まぁ、イチゴとイチゴ味のアイスは全然違うがな」
美月は今度はイチゴ味のアイスクリームをテーブルに置く。
もちろんスプーンも。
「我はシャワーを浴びてくる。汗をかいてしまってな。それまでの間に食べるがよい」
美月はそのまま部屋から出ようとする。
確かに今日は暑い。
「あ、そうだ」
美月は部屋から半歩出たところで立ち止まり、俺を見る。
「康輝も一緒に、シャワー浴びる?」
めっちゃ笑顔で俺に言う。
……え?
色々な意味で俺は固まる。
「ハハ、嘘だ。興奮したか?」
美月はそう言い、部屋から出ていく。
……アイス溶けるから食べよ……。
「すまない、シャンプーがなくなっておることに気づかなくてな。遅くなってしまった」
美月はそう言い、部屋に入ってくる。
髪が少し濡れている。
「おお、アイス、食べてくれたのか」
「……あ、悪ぃ! 金払う!」
「? なぜそうなる? 我はお主に与えたのだ。金などいらぬし、我はそんなに貧しくない」
美月はそう言い、座る。
そして、教科書を出す。
「では、始めるぞ」
美月が急に真面目な顔になり、俺に言う。
……美月、意外と勉強できるやつなのか?
本当にすごい生活してますね。康輝くんは。




