第175話 海波との帰り
「前回のクイズの答えは『✕』だ!」
「今日は色々とありがとうございました」
帰り道。
海波さんと二人で帰ってた。
先輩たちは3人で帰ってた。
結局部長は決まらなかったらしい。
「将棋部、面白そうな部活ですね」
「まぁ、部活が面白いんじゃなくて『人』が面白いんだけどな」
「将棋部に入っても大丈夫ですかね?」
「別にいいけど……。海波さんならもっと別の部活に入りそうだけどな」
「海波でいいです。別の部活、ですか?」
「ああ、ダンス部とか」
「ダンス部、か……」
海波は空を見ながら歩く。
今日の空は……、あ、曇ってるわ。
「なんか大変そうなんですよね」
「そっか、そうかもな。皆嘉はどうだ? 家の態度とか」
「素直じゃないです」
即答だな……。
皆嘉のやつ、素直じゃないの?
なんか意外。
「そういえぱ、康輝先輩も妹さんがいらっしゃるんですよね?」
「ああ、一応いる」
「同じ年ですよね?」
「ああ」
「……同じ年で妹……?」
不思議に思ったのかな?
海波は俺と水麗は義理の兄妹ってことを知らないのかな?
「義理の妹だ、水麗は」
「あ、そうなんですね……」
黙り込む海波。
……なんか気まずいな……。
なんか面白い話あるかな……?
春休みあんまり外に出なかったから話のネタがないんだよな……。
「! 康輝ではないか!」
後ろから声がする。
美月だ。
「それに海波まで! なんか久しぶりだな!」
「美月先輩……」
「二人とも同じ部活なのか? 確か康輝は将棋部だよな?」
「そうだ。美月も部活の帰りか?」
「いや、一人で部室の掃除とか、器具の整理とかしてた。マネージャーも大変なのだ……」
それは普通に大変そう。
陸上部のマネージャーって美月一人なのかな?
「どうだ? これからみんなで食べに行くか? 我、帰ってもどうせ暇だし!」
今から?
急だな……。
「いいんですか? 帰っても皆嘉いないし、行きたいです」
え、皆嘉いないの?
なんで?
あいつ、部活とか入ってなかったよな……?
「康輝はどうだ? 行くか?」
「ちょっと待ってろ、水麗に訊く」
俺はポケットからスマホを出して、水麗に連絡する。
「いやー、にしても康輝、なんかずいぶんとクールになったのう!」
そうか?
確かに1年生のときの俺はちょっとヤバイやつだったかもしれないけど。
『水麗、ちょっと外で飯食ってくる』。
よし、あとは返事を待つか。
『わかった』。
いや、返信はや。
え、なに、あいつ暇なの?
「許可もらった、どこに行くんだ?」
「ふふふ……! 我についてこい!」
美月は先頭を歩き出す。
……美月ってこんなキャラだったっけ?
「海波、将棋部に入部するのか! 意外だな! ではクイズだ! 『亡くなったのは康輝の父と母、どっち?』。これは簡単だろー! それと作者の都合で今週は投稿できないらしい。本当にすみません」




