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第166話 いい考えない? 〜皆嘉〜

『前回のクイズの答えは『んん……もう食べられないよ……』だ! なんか口調が違う……!」

 「なぁ、皆嘉、なんかいい考えあるか?」


 近くに皆嘉もいたから、皆嘉にも訊いてみた。


 「うーん……。ってか、今日水麗の誕生日だったんだ」

 「ああ……ってか、みんな知らなかったのか……。――で、水麗が喜びそうなやつ」

 「俺が考えても仕方ないと思うけど? 水麗、俺のこと嫌ってるし」

 「そうなのか?」

 「会ったばっかのとき、水麗の前で堂々とお前のこと殴ったじゃん」

 「あれはもうお互い謝ったんだから、もういいだろ」

 「いや、女は結構そういうやつ気にするぞ……?」


 そうなの?

 水麗がそんなの気にするようには見えないけどな。


 ってかなんで俺が殴られたらあんなに怒るんだろう。

 別に怪我とかしてねぇし。


 殴られるの慣れてるし。


 「普通にお前がしてくれることならなんでも喜ぶんと思うぞ? 水麗なら」

 「なんでみんなそれしか言わねぇんだよ……」

 「『みんな』って、俺以外に誰に相談したんだ?」

 「えっと……、美月と大雅と冬乃」

 「大雅は喧嘩しか言わないと思うけど……」

 「ちゃんと言ってくれたぞ、『喧嘩』って。……そういえばあいつ、最近喧嘩とかしかけてこないよな?」

 「いや、今朝した」


 おお……。

 喧嘩をやめたわけじゃないんだ。


 じゃあなんで俺とは喧嘩してくれないんだろう……。


 「水麗が本気で喜ぶのは『約束』だと思うぞ?」

 「約束?」

 「『水麗とずっと一緒にいる』みたいな」

 「冬乃にも言われた。でもそれじゃあな……」

 「じゃあ『康輝を1日使える券』」

 「なんでそうなる?」


 ってか俺を1日自由に使ってもあんまりメリットないだろ。

 水麗の恋人じゃないんだし。


 「プレゼントはもう買ってるのか?」

 「ああ、それはもう買った」

 「ケーキとかつくらないのか?」

 「俺がケーキつくれると思うか? しかも、水麗に俺がつくったものなんて食わせられねぇよ」

 「なんで?」

 「……お前、知らないんだな」


 皆嘉って知らなかったっけ?

 水麗が料理得意ってこと。


 「ま、色々あって水麗に料理をしてやるのは無理だ」

 「でもそれしか思いつかないし……」

 「わかった、ありがとな」


 俺は皆嘉に礼を言ってから教室の中を見渡す。


 他に案を出してくれそうな人は……。


 ……向こうに白斗がいる。

 でもなんか独りで本読んでる。


 『話しかけんな』ってオーラがすごい。


 白斗に相談はやめとこ……。

「皆嘉のやつ、水麗の料理が美味いということを知らないのか。今度食わせてやるか。ではクイズだ! 『バーベキューで康輝がつくったものは?』。…………」

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