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第161話 入試が終わった

「前回のクイズの答えは『みなみ』だ!」

 楓野学園の入試が終わった。


 俺らが入試をするわけじゃなくて、ここの受験生がした。

 それで3日間休みがあった。


 ちなみに今は2月5日。

 今日まで特に何もなかった。


 3学期はマジで何も行事がない。


 3日ぶりに学校に行くと、いつもより人気の皆嘉がいた。

 特に女子に人気らしい。


 せめて教室の中じゃなくて廊下で話してほしい。


 「今日も皆嘉のやつは人気だなー」


 気づいたら隣りにいる美月。

 いつからいた……?


 「特に今日は人気みたいだけど……、なんでか知ってるか?」

 「妹さんが受かったらしいぞ、ここに」


 ああ、海波さんだっけ? 皆嘉の妹。

 ここの受験生だったんだ……。


 「来年から来るらしいぞ?」

 「まぁ、普通そうだよな。……で、それと皆嘉が人気な理由と何が関係あるんだ?」

 「我が再現してみせよう」


 美月はコホンと咳払いをする。


 「――そういえば皆嘉くんって妹いたよね!? しかもここの受験生! 受かったの?」


 美月がいつもの声と違う。

 結構高い声。


 流石声優……。


 「へー、受かったんだ! どんな感じなの!? 名前は!? ――って、感じだ」

 「大変だな、皆嘉も。……そういえば大雅は? いつもはこの時間にはいるよな?」

 「駅伝に行ったぞ?」


 駅伝か……。

 陸上部も大変だな――


 「――って、駅伝!? あいつ駅伝行ってるのかよ!」

 「毎年陸上部は出てるらしいぞ?」

 「いや、今この時期に駅伝?」

 「まぁ、よいではないか。企画したのは前崎先生だし」

 「マジかよ……。確かに前崎先生ならやりかねないけど。……ってか、お前は行かなくていいのか? 一応マネージャーなんだろ?」

 「先輩のマネージャーが行った」


 なんか大変そうだな。

 将棋部はそういうのないからな。

 あの部活にマネージャーなんていらないし。


 もはや『部活』じゃなくて『同好会』って感じだもん。


 「お主の部活とかは大会とかに出ないのか? 確か……将棋部だろ?」

 「あの部活はやる気ねぇからな。顧問の先生あんまり部室に来ないし。先輩も将棋じゃなくてスマホゲームとかしてるし」

 「……大丈夫か? その部活」


 ダメだな。

 もう崩壊してる。


 「……ま、海波さんが受かったんだろ? あとでみ皆嘉に『おめでと』くらいは言っといてやるか」

 「おお、皆嘉の妹の名前を知ってるのか。いつ知った?」

 「学園祭のとき」

 「ああ、キャバクラか」

 「それはお前のクラスだけ。お前は皆嘉の妹さんの名前、知ってたのか?」

 「ああ、夏休みのとき知った」


 だいぶ前だな。

「通ってる学校が入試で休みっていいよね……、うん。ではクイズだ! 『大雅はナンパをしたことがある。〇か✕か』。どっちだと思う?」

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