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第157話 昨日の夜何してたの?

「前回のクイズの答えは『第16話』だ!」

 「お兄ちゃん、昨日お父さんの部屋で何してたの?」


 次の日、朝食をとってたら水麗が話しかけてきた。

 今、父さんも母さんも仕事に行ってる。

 だから水麗と二人きり。


 「なんか夜お父さん部屋にいたよね?」


 よく気づいたな……。

 『あのこと』は言わないようにしとこう。


 「父さんと話してたんだ」

 「へー……。どういう話?」

 「父さん悲しんでたぞ? 『誕生日なのに誰にも祝ってもらえなかった』って」

 「なんだ、そんなことか」


 父さんかわいそ。

 娘に自分の誕生日を『そんなこと』って言われて。


 「そろそろ年末だね。大晦日とかお正月とかなにする? またみんなと遊ぶ?」

 「いや、みんな忙しいだろうしいいよ。俺たちは俺たちで楽しもうぜ」

 「うん、そうだね。お父さんもお母さんもお正月でも忙しいって言ってたし」


 本当に二人とも忙しいらしい。

 仕事じゃないと思うんだけどな……。


 「二人でダラダラして過ごす?」

 「それもいいな。……ごちそうさま」


 俺は食器をシンクまで運ぶ。

 たまには俺も皿洗いくらいしよっかな……?


 「そろそろ1年生も終わりか……。楽しかったな……。最初お兄ちゃん、入学式で目立ってたもんね」

 「あれは本当に黒歴史だ。来年はあんなことないようにしなきゃ……」

 「えー……、面白いのに」


 面白いんだ。

 他人の不幸は蜜の味だもんな……。


 「冬休み今度どこ行く?」

 「プール以外のところがいい」

 「気持ちいいよ? 冷たくて」

 「寒すぎるだろ。ってかよく風邪引かなかったな」

 「あのくらい余裕!」


 余裕なんだ……。


 「お兄ちゃん」


 水麗が俺の前まで来る。

 俺は自分の部屋に行こうとしたけど、水麗が前に来たから止まる。


 「ありがとう。今の生活、楽しいよ」

 「急にどうした?」

 「いや、お礼言いたくなって」

 「そっか。こっちもありがとな。俺も楽しいぞ」

 「うん、大好き」


 急に抱きついてくる水麗。

 マジで急にどうした?


 今まで急に抱きついてくることなんて――あったわ。

 バリバリ抱きついてくるわ。


 初めて会ったときなんて急に抱きつかれたもんな。


 「だからさ、ずっと――少なくとも高校生の間は一緒にいようね」


 水麗は満面の笑みを浮かべて俺にそう言った。

 そして階段をあがっていった。


 父さんと同じこと言われたな……。

 話聞かれた?


 まぁ、俺も水麗から離れるつもりはないし……。

「……なんか今回の話、特に感想がないな……。ではクイズだ! 『第1話で水麗が康輝に抱きついたとき、なんと言った?』。……うん、特に感想がない」

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