第150話 学園祭、二日目
「前回のクイズの答えは『第126話』だ!」
始まってしまった。
学園祭二日目。
普通に嫌だ。
最初は学園祭楽しかったけど、二日目はな……。
いや、多分他の学校の学園祭だったら二日目でも楽しいんだ。
俺は『委員長』が嫌いなだけかもしれない。
「さー! 始まりましたよ! 今日も張り切っていきましょう!」
委員長の声が頭に響く。
朝からこんなデケェ声聞きたくねぇよ……。
「では、そろそろお客様が来ます! 皆さん、ちゃんとお客様の対応をお願いしますよ! くれぐれも、『自分だけ遊ぶ』ということはないように!」
お前が言うなよ、その言葉。
「それでは皆さん、頑張ってくださいね!」
委員長はウキウキしながら教室から出ていく。
俺は段ボールと段ボールの隙間に入る。
近くには皆嘉がいる。
「……あ、そうだ。昨日帰れたか? 海波さんと一緒に」
「さん付けしなくていいよ、あいつに。一緒に帰ったよ」
「なんか水麗と似てたな。俺と会ったばっかのときの水麗みたいな感じだった」
……うん、そうだよね。
あいつ、俺のためなら何でもするって感じだったもんな、最初。
「本当困る。もっと素直になればいいのに」
「お前も大変なんだな」
「めっちゃ大変。一緒に暮らし始めて半年くらい経つけど、全然変わらないもんな」
半年?
ってことは、俺と水麗が会ったときと同じくらい?
俺と同じ時期に再婚したのかな? 皆嘉の親。
そんな会話をしてたら、電気が消えた。
そろそろ客が来るみたいだ。
「康輝、最初俺、変なとこしたよな」
「変なこと? そんなことされた覚えねぇぞ?」
「めっちゃ喧嘩売ったじゃん。ロッカーで」
「ああ、そうだな」
「今の俺じゃ考えられない行動だろ? 自分で言うのもあれだけど」
……そうだな。
今の皆嘉がそんなこと言うとは思わないな。
「精神不安定だったみたいなんだ、俺」
「……わかる。俺も少し前までそうだった」
「……それだけ言いたかった。あと、ごめ――」
「もう謝るな。昔のこと思い出すのはあんま好きじゃない」
俺の言葉で会話が終わった。
そろそろ客が近くに来る。
またデスボイス出すか。
結構つらいんだよな、あの声出すの。
でもあの声出さなきゃ、委員長にガミガミ言われるんだろうな……。
俺は段ボールの隙間から出る。
……あ、マスクとサングラスしてるお客さんだ……。
これ絶対『Rira』さんだ。
『石川ひなた』さんって言ったほうがいいのかな?
俺はデスボイスを頑張って出しながら、石川ひなたさんに撃たれた。
そして倒れる。
……この床、なんかくさい……。
「ほう、康輝と皆嘉が中心の話か……。これもよいな。ではクイズだ! 『大雅の名字は?』。最近出てなかったからクイズにしたぞ! それと、土曜日は確定で投稿できない。本当にすまぬ」




