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第149話 学園祭、終わった?

「前回のクイズの答えは『康輝』だ! 男子のほうが出席番号が先だということを覚えていたか?」

 やっと終わった。

 学園祭が。


 その帰り道。


 皆嘉を除いたいつものメンバーで帰っていた。


 皆嘉は妹さんと帰るらしい。

 『海波』さんだっけ?


 「あーあ、あの女、今日もウザかったな」


 歩いてる途中に大雅が舌を向いて言う。

 『あの女』って、多分委員長。


 「変なことばっか要求してきやがって。マジでふざけんなよ」


 うわ、大雅が愚痴言った……。

 ってことは委員長、どんだけ大雅に変なことしたんだよ……。


 「な、白斗」

 「ああ、あの行動は意味がわからないな」


 白斗も言う。

 委員長、めっちゃ嫌われてるじゃん。


 ……そういえば委員長って、俺たちがお化け役やってるとき何してたんだろう。


 「大雅、あの委員長って何してたんだ? 受付係か?」

 「いや、遊んでた」


 ……は?


 「何もしないでずっと他のとこ行ってた」


 マジかよ。

 めっちゃ酷いじゃん。


 他人に仕事任せて、自分は遊んでたのかよ。

 まぁ、何か理由があったかもしれないけど――


 「特に理由があったようには見えなかったな。友達らしき者と楽しそうに騒いでて」


 白斗が俺の思ってることを答える。

 なんで俺が思ったこと、わかるんだ……?


 「ま、色々な人がいるんだし。そういう人はいつか悪いことが起こるよ」

 「お主……、なんか経験者みたいなことを言うな……」


 冬乃と美月のやりとり。

 やっぱ面白いな、このコンビ。


 「みんなあの委員長嫌いなんだね……。私にはなんか結構優しくしてくれるよ?」


 水麗がみんなの表情を見ながら言う。


 「なんか私がお化け屋敷のネタを教えたら、急に馴れ馴れしく接してきたよ?」


 人によって対応変わるんだ。

 ……それが『社会』なのかな?


 うん、それが普通なんだ、きっと。


 「……あ、あとさ、美月ちゃんたちって、皆嘉の妹さんに会った?」

 「皆嘉の? 今日来てたのか? 我は見てないぞ?」

 「かわいかったよ。発想が豊かで」


 うん、確かに海波さんの顔は整ってた。

 そして、確かに発想が豊かだった。


 『本気でいじめる』って言葉を『発想が豊か』って表現する水麗、なかなかセンスあるな……。


 「へー! 皆嘉くんに妹いたんだ! お兄ちゃんだったんだね、皆嘉くんって!」


 冬乃は皆嘉に義理の妹がいるってことを知らなかったらしい。


 「じゃ、明日見てみるね! 皆嘉くんの妹!」


 ……?

 明日?


 明日日曜日だぞ?

 学校ないぞ?


 「うん、皆嘉も言ってたし。明日も連れてくるって」

 「ちょ、ちょっと待て、水麗。明日ってどういうことだ?」

 「? 学園祭二日目だよ?」


 ……え?

 二日目あるの?


 これで終わりじゃないの?


 「……知らなかったの?」

 「あ、ああ」

 「お兄ちゃん……、もうちょっと学校行事に興味持とうね?」


 いや、結構興味持ってるほうだと思うけどな……。

「明日もあるぞ! 学園祭! とろで皆は『学園祭』と言うか? それとも『文化祭』と言うか? 我は『学園祭』派だな。ではクイズだ! 『康輝の中学時代の学園祭の回想シーン、第何話であった?』。覚えているか?」

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