第148話 冬乃の出し物
「前回のクイズの答えは『ドッジボールもどき』だ!」
くじ引きを引いた。
結果はこうなった。
水麗、『超当たり! お菓子三個!』。
皆嘉、『結構当たり! お菓子二個!』。
俺、『まぁまぁ当たり。お菓子一個』。
……『まぁまぁ当たり』ってなに?
「あ! おめでとうございます! お菓子ですね! 少々お待ち下さい!」
冬乃は相変わらずの笑顔でどこかに行く。
俺はその間、『まぁまぁ当たり』という文字を見る。
確かに『はずれなし』だけどさぁ……。
「――お待たせしました! この中からお選びください!」
冬乃が箱を持ってくる。
箱の中には色々なお菓子が入ってる。
これは自費かな?
それとも学校側が金を出してくれてるのかな?
俺は紙に書いてある通り、一つだけとる。
美味そう。
最近お菓子食ってない気がする。
水麗のつくる料理が美味すぎていっぱい食って、それでお菓子食えてないな……。
「ヨーヨー釣りもいかがですか? 全部無料ですよ?」
ヨーヨー釣りか……。
あれ難しいんだよね……。
できる人いるのかな?
「じゃあ……、やります」
「はい! あちらです!」
冬乃が教室の奥の方を指差す。
なんかプールみたいなやつがある。
わかる?
ちっちゃい子供が庭で遊ぶような、ビニールでできたプール。
あれってビニールなのかな?
まぁそんなことどうでもいいや。
俺たちはそのプールのところまで行く。
水が入ってて、その中に大量のヨーヨーがあった。
「あ、どうぞ」
プールの近くにいる男が、ヨーヨー釣り用の釣り竿を渡してくれる。
……『釣り竿』じゃないよね? これ。
なんていうの?
ヨーヨー釣りで使う、紙でできたミニ釣り竿。
なんていう名前なんだろうね。
俺はヨーヨーを釣ろうとしてみる。
開始二秒で紙がちぎれた。
なんで?
なんでちぎれた?
「私もやってみよっかな……」
水麗も紙でできた釣り竿を受け取る。
結構難しいぞ……?
「――あ、とれた」
?
水麗の手を見る。
なんかヨーヨー持ってる。
「俺もやってみよ」
皆嘉も紙でできた釣り竿を受け取る。
「――意外ととれるな、これ」
皆嘉はヨーヨーを釣り、手に掴む。
なんで俺だけできてないの?
これって絶対何かあるよね?
俺二秒で切れたぞ?
「あーと……、だ、大丈夫です! とれなくても、好きなのもらえますよ!」
冬乃……。
気遣いありがとう。
でもそう言われると、なんか逆に悲しくなる……。
しばらく『夏祭り』は行きたくないな……。
……そういえば、もうこの季節に『夏祭り』なかったわ。
「水麗、意外とすごいんだな。それとも康輝が下手なだけか……? ではクイズだ! 『康輝と美月、どっちのほうが出席番号が先?』。うん、難しく考えなければわかる。そして、だいぶ昔のことを覚えていればわかる。あと、しばらく投稿できないかもしれない。本当に申し訳ない……」




