表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/352

第142話 文化祭、スタート!

「前回のクイズの答えは『日曜日』だ!」

 数日経った。


 その間に中間テストがあったくらい、結構時間があいた。


 みんな中間テストなんてものの存在を忘れてる感じだ。


 だって今日は、文化祭当日。


 みんな興奮してる。


 特にうちのクラスの委員長はヤバイ。

 発狂してる。


 「とうとう始まったね、お兄ちゃん!」


 教室の中。


 ところどころに赤い絵の具がついた白衣を着た水麗が俺に言う。

 皆嘉と同じかっこうだ。


 近くには皆嘉もいる。


 午前にお化け屋敷をする人と、午後にお化け屋敷する人にわけることになった。

 ……『仕事する人を午前と午後に分けた』ってやつ。


 俺たちは午前にお化け役をする。

 だから午後は自由に学校を回れる。


 『午前に仕事がある』って感じ。


 「じゃ、お客様が来ますよ! 準備してください!」


 委員長の声が響く。


 「あ、そろそろ行くね」

 「ああ、頑張れよ」

 「お兄ちゃんだって」


 水麗がクスリと笑う。


 「お前、ホラー苦手だろ? 客じゃなくて自分が驚くなよ?」

 「しないよ、流石に。じゃ、また後でね」


 水麗が走っていった。


 しばらくすると電気が消える。

 真っ暗になった。


 「とうとう始まるな」


 皆嘉が話しかけてきた。


 「ああ、そうだな」

 「できそうか?」

 「なにがだ?」

 「ちゃんと台本通りできるかってこと。弾とか避けんなよ?」

 「大雅じゃねぇんだし」


 ちなみに大雅、白斗は午後にお化け役をする。


 「……そういえばお前の家族、来るのか?」

 「来るらしい。義妹がここを受験するつもりで」

 「へー、そうなんだ」


 だったら会ってみたいな。

 一回会ったことあるけど。


 「…………」

 「…………」


 しばらく無言の俺たち。

 客がこっちに向かってゆっくり来ている、らしい。


 足音が聞こえてくる。


 それと叫び声。

 あとデスボイス。


 あと、今になってもどういう設定かわからない。


 俺の握ってる銃弾でしか皆嘉を倒せないらしいけど。


 皆嘉がボスらしい。


 理由は『皆嘉くんはボス的存在!』ってクラスの一部の女子が言ったから。

 急に皆嘉のこと好きになりやがって。


 ……今ムカついてもダメだな。


 足音がだいぶ近づいてきた。

 もう俺たちの前を通り過ぎそうだ。


 「……じゃ、行ってくる」


 皆嘉に超小声で言う。


 俺は段ボールの隙間から出て、デスボイスを出す。


 驚いた客が俺にライトの光を当てる。

 そして銃口を俺に向ける。


 客……めっちゃ筋肉ムキムキな兄ちゃんだ……。


 その兄ちゃんは俺に向かって一発打つ。

 弾が左胸に当たる。


 ……心臓狙ったのかな?


 俺は倒れる。


 あとは俺から弾を取れば――


 「――!」


 兄ちゃんが俺の腹を踏む。

 何回も何回も。


 「死ね、死ね」


 兄ちゃん、怖い……。

「とうとう始まったな! 結構楽しみだぞ! ……うん、感想はこれだけだ。ではクイズだ! 『康輝、大雅、水麗の中で、最初に係、委員会が決まったのは?』。だいぶ昔だな……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ