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第140話 買い出し

「前回のクイズの答えは『M』だ!」

 「さ、早速準備しましょう!」


 委員長がまた興奮して言う。

 ちなみに今は朝礼前。


 いつもは終礼終わったあとにやるのに。


 「今日は買い出しに行ってもらいます! 橋本さんが色々と考えてくれました! で、男子諸君に雑貨店に行ってもらいます!」


 ……は?

 なんで『男子諸君』なの?


 女子は行かないのかよ。


 「女子は今日残って、色々しますよー!」


 男子は雑用係、か……。







 「あー、めんど」


 放課後。

 雑貨店に向かってる途中で、大雅がめっちゃ小声でつぶやく。


 「なんで俺たちなんだよ」

 「あの委員長、男子のことそうとう恨んでるみたいだね。白斗のせいで」


 皆嘉が大雅に言ったあとに、白斗の顔を見る。

 白斗は相変わらず無表情。


 こいつが笑ったときの顔、見たことない気がする。


 「ってか、水麗のやつ、よく止めなかったよな」


 水麗?


 「なんで水麗?」

 「いや、康輝が行くなら水麗も行きたいっていうかなって」

 「昔はそう言ってたかもしれないな。最近ベッドに来ないし」


 そう、最近水麗がベッドに来ない。

 二週間に一回くらいになった。


 「……お前、妹と一緒に寝てたのかよ……」

 「俺の意思じゃない」


 そんなやりとりをしていたら、すでに目の前に雑貨店があった。


 「じゃ、分かれて探すか」


 白斗がそう言うと、なぜかみんな無言で二手に分かれた。

 なんで無言なの?


 俺は敢えてみんなと違う方向に独りで行く。

 今は独りがいい。


 「よお、なんで一人で行くんだ?」


 後ろから大雅が話しかけてくる。

 こいつは俺についてくるのか……。


 「独りがいい」

 「じゃあ俺も行く」


 俺の言葉理解できてるかな?

 

 「ってか康輝」

 「なんだ?」

 「独りでグイグイ言ってるけど、何買うんだ?」


 ……確かに。

 何を買えばいいんだ?


 委員長に特に指示されてないな……。

 まぁ、なんか適当に買えばいっか。


 ……そして金も渡されてない。

 学校の金、使っていいんだよね?


 自費じゃないよね?


 こんなことで金使いたくないよ?


 「あ、康輝! これとかどうだ?」


 大雅が何か持ちながら俺の前まで走ってくる。

 ハサミ?


 なんでこいつはハサミ持ってる?


 「これ、ところどころに血つければいいんじゃね!?」

 「! 確かに!」


 大雅意外とひらめくんだな。

 ただの喧嘩バカじゃなかった!


 「ノートとかも血で汚せばさ!」

 「ああ! いいな!」


 よし、これで完璧だ!







 「なんで布を買ってこなかったんですか!」


 学校に帰った俺たち。

 男子全員、委員長に怒られてる。


 「そしてなんでハサミなんて買ってきたんですか!?」

 「…………」


 男子全員反論しない。

 だってめっちゃ面倒くさそうになりそうだから。


 反論したらどうせごちゃごちゃ言うんだろうな……、この委員長。

「あの委員長、なんかムカつくのう……。愚痴を言っても仕方がないな。ではクイズだ! 『第40話で最初にセリフを言ったのは?』。クイズも単純なものになってきたな……」

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