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第137話 色々決める?

「前回のクイズの答えは『液体』だ!」

 「今日は色々決めまーす!」


 放課後。


 また教室に残って、学園祭のやつについてなんか色々決めるらしい。

 美月と冬乃以外のいつものメンバーはいる。


 そして昨日と同じように委員長がしきっている。


 「はい、まずお化け屋敷に決まりましたよね? それでは色々と役を決めたいと思います! あ、あとストーリーとかですね! どういう設定で、場面はどこで、どういう幽霊が出るのか!」


 委員長がめっちゃ興奮してる。


 「……一つ案がある」


 大雅が面倒くさそうに手を挙げる。

 それを委員長が見て、大雅に指を差す。


 「はい、風崎さん!」

 「康輝にストーリー構成とか任せたほうがいいと思う」


 ……はい?


 「康輝、そういうの得そうだし。あと、水麗もいるからいけんじゃね?」


 いや、なんで?


 「水麗は得意ぜ? そういうの」

 「あー、確かに私得意よ? 物語つくるの」


 え、得意の!?

 初耳なんだけど!


 「では橋本さんと橋本さんに任せましょう!」


 だから俺と水麗のこと『橋本さん』って呼ばないでほしいな。

 めっちゃわかりにくい。


 「では橋本さんと橋本さん! 明日までに完成させといてくださいね! ではこれで解散!」


 はや。

 解散はや。


 ってか『明日まで』ってかなり急だな。

 しかもどうせ間に合わなかったら『なんで仕事しないんですか! 一組としてのプライドというものがないのですか!? 自分が良ければそれでいいんですか!?』とか言われるんだろうな……。


 「じゃ、お兄ちゃん帰ろ。外で美月ちゃん待ってるし」


 あ、美月待ってくれてるんだ。

 そして冬乃は待ってくれないんだ。


 ……ま、普通待ってくれないか。

 待ってくれてるだけでありがたいと思おう。


 荷物をまとめて俺は廊下に出る。


 外には水麗が言った通り、美月が待っていた。


 「! お主等早いな。もっと時間がかかると思っていたのだが」

 「なんか委員長が俺と水麗に丸投げしてきやがった。一番悪いのは大雅だけど」

 「あ! そうそう! 大雅、お兄ちゃんがいいと思うって言ってた!」


 水麗がそう言ったとき、ちょうど大雅が俺の隣に来る。


 「俺のこと呼んだか?」

 「お前さ、俺になんでも任せんなよ」

 「でもそれがよかったんだろ?」


 は?

 それがよかっかた……?


 「あのときのお前、めっちゃ目キラキラしてただろ、楽しそうに。俺が推薦したときも、めっちゃ楽しそうだった」

 「そうなの?」


 水麗が俺の顔をのぞくように見てくる。


 ……大雅、よくわかったな。

 こいつ、ちゃんと人のこと見れてるんだな。


 意外と気をつかえる人間だったとはな。


 ……いい友達持ったな……。


 芽依、ちゃんと幸せになれてるぞ、俺。

「ほう、大雅のやつ、康輝を推薦したのか。ってか、水麗のやつ、物語をつくるのを得意なのか。すごいな。ではクイズだ! 『体育祭の借り物競走、白斗のお題は?』。みんな、もうクイズのネタが思いつかないのだ! こんなやつですまぬ!」

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