第131話 放課後残れる人ー!
「前回のクイズの答えは『②』だ!」
「放課後残れる人ー!」
終礼が終わったあと、委員長がみんなに言う。
「もしいたら、ちょっと残ってくれたら嬉しいでーす! 学園祭の出し物決めまーす!」
学園祭の出し物を決めるのか……。
どうせ今日家に帰っても暇だし、残るか。
……そう思おうとしても、『学園祭に参加したい』って本当の思いには勝てないか。
「お兄ちゃんは残るの?」
水麗がリュックを背負わないで訊いてきた。
リュックを背負ってないってことは、こいつも残るつもりか。
「ああ」
「だろうな」
突然白斗が反応してくる。
しかも本読みながら。
「? 何言ってんの?」
水麗は白斗の発言につぶやく。
『つぶやく』って言うのかな? こういうの。
白斗は得に何かを言うつもりでらないらしい。
「お主等、帰らぬのか?」
後から美月の声。
いつも通り美月が教室に入ってきていた。
「今日は少し残ろうと思う」
「そうか。我は用事があるから帰るぞ」
美月はニヤリと笑い、教室から出ようとした。
そして教室から出る直前、ポケットからスマホを出す。
そして俺にスマホを見せるようにして教室から出た。
……何がしたかったんだ?
ま、いいや。
「……康輝も残るのか?」
今度は大雅が話しかけてくる。
『も』ってことは、大雅も残るつもりらしい。
「ああ!」
「…………」
なんで黙り込む?
「似合わねぇな、お前に」
は?
「ちょっ、大雅……、それ言わなくていいだろ」
大雅の後ろから皆嘉が言う。
「いやだってさ、康輝ってこういうの興味なさそうなイメージあるじゃん」
「お兄ちゃんだってこういうの興味あるよ」
水麗が大雅に反論する。
そのとき俺はあることに気づいていた。
さっきの美月の行動だ。
スマホを出してたやつ。
その意味がやっとわかった。
俺はポケットからスマホを出し、電源を入れる。
予想通り美月からメールが来ていた。
『康輝、いきなり変なこと言うね。もしかしたら来年からあんまり康輝たちと会えなくなるかも』
……え?
俺は慌てて『なんでだ?』って送る。
すると、すぐに返事が来た。
『自意識過剰かもしれないけど、ちょっと学校来るのが減るかもしれないの』
『いや、なんで?』
『それは直接言いたい。二人で会えない?』
なんでだ……?
「じゃあそろそろ相談するよー! なんか案がある人、どんどん言って!」
委員長がチョークを持ちながらみんなに言う。
よく見たら、この教室には一組のやつしかいなかった。
それでみんなが委員長に注目した。
なんか助かったかも……。
「大雅のやつ……、そして今回冬乃だけ出てない! ではクイズだ! 『霧宮白斗は第何話で出た?』。クイズのネタもだいぶなくなったな……」




