表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/346

第13話 いきなり……

 ああ、また来てしまった。

 ここに……楓野学園に……。


 ああ、校門の前にいるだけでもヤバい。


 「お兄ちゃん……顔死んでるよ……」

 「あ、いたいた!」


 誰かがそう言い、俺らに近づく。

 女だ。


 「お主等(ぬしら)もこの時間に来ていたのか!」


 ……みんな、誰かわかった?

 そう、昨日新坂皆嘉から助けた女、室井美月だ。


 「あ、美月ちゃん!」

 「! お主、顔が死にそうになっておるぞ!」

 「……あ、うん……」


 美月も俺の顔を覗くように見る。

 ……今の俺の顔そんなにヤバいのか。


 「あ、美月ちゃんって何歳?」

 「十五だ。一年生でな」

 「あ、私も! そういえばまだ自己紹介してなかったよね。私は橋本水麗。この人は……」

 「『橋本康輝』だろ?」


 美月は水麗の言葉を遮るように言う。

 ……俺名前教えたっけ?


 「え! なんで知ってるの!?」

 「康輝はかなりの有名人だぞ?」

 「なんで俺……有名人……」

 「入学式で大声を出し、自己紹介でも先生にため口、ロッカーであの男の拳を止めた者だろ?」


 ああ、蘇る黒歴史……。

 もうヤダ……。俺のイメージ……。


 「お主等、何組なのだ?」

 「一組だよ!」

 「そうか。我は二組だ。また後で会おうな」


 美月はそう言い、学校の中に入る。

 ……よくそんな元気そうに学校の中に入れるな……。


 そんなことを思いながら俺らも学校の中に入る。


 教室の中にはすでに数人の生徒が座っている。


 「ちょっと私、トイレ行ってくるから」


 水麗はそう言い、リュックを机に置いて廊下に出る。

 俺も座るか。


 「よ、おはよ」


 俺が座ると、後ろの男が俺に話しかける。

 昨日ずっと寝てた奴だ。


 「あ、おはよ……」

 「名前、『橋本康輝』だよね?」

 「あ、ああ……」


 なんだこいつ……。

 俺に興味あるのか……?


 「俺は風崎大雅(ふうざきたいが)。好きな食べ物はラーメン、嫌いな食べ物はキノコ」

 「はい……どうも……」


 本当になんだ、こいつ……。

 俺と仲良くしたいだけなのか……?


 「それでさ、昨日、君喧嘩したでしょ」


 ……こいつ……なんで知ってやがる……?

 俺は大雅という男を睨む。


 「そう怖い顔すんなよ。別に変なこと考えてねぇよ。俺もお前と戦いてぇ」


 おいおい、そんなマンガみたいなこと言うな。

 混乱するだろ。


 「……なんでお前と戦わなきゃいけねぇんだよ。昨日のは戦う理由があったが、今回はねぇだろ」

 「俺はお前と戦いたい。これ以上の理由はねぇ」


 なんて自分勝手な……。

 ……でも、こういうのって断るとしつこく言ってくるタイプだろ?


 「……わかった、いつやる?」

 「今日の放課後」

 「よし、わかった。でも水麗には秘密にしろ」

 「水麗って……君の妹か。わかった、言わないでおくよ」


 大雅がそう言うと、水麗が教室に入ってくる。

 ……また人を殴ってしまうかもしれない……。

皆さんの学校にはこういう喧嘩バカ(言い方悪くてすみません)いましたか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ