第126話 学園祭?
「前回のクイズの答えは『地獄のパン食い競争』だ!」
「体育祭、よく頑張ったな!」
朝礼で前崎先生が言う。
「『昨日が体育祭だったのに、なんで今日葉休みじゃねぇんだよ』って言う文句は校長に言ってくれ」
校長に言っていいの……?
「それと、そろそろ学園祭だから準備しとけよ?」
そっか……そろそろ学園祭――
――って、マジで!?
急すぎない!?
体育祭終わった瞬間だよ!?
「じゃ、朝礼終わり!」
いやいや、もう少し説明してよ!
何からやればいいの!?
そうだ! 白斗に訊こう!
俺は白斗のところまで行く。
めっちゃ勉強中……。
「な、なぁ! 白斗!」
「今度はなんだ?」
白斗がシャーペンを動かして、ノートを見ながら俺に言う。
こいつ……何解いてるんだ……?
微分積分……?
そんなことはどうでもいい。
「学園祭って何すればいいんだ!?」
「計画して実行、以上」
「いやいや! その過程を訊いてんの!」
「…………」
白斗がシャーペンを置き、俺と目を合わせる。
なんかこの目が怖い……。
「君にしては珍しいね、そんな一生懸命になるなんて」
「そ、そうか……?」
「……なんかあるのか?」
白斗の言葉と同時に、俺は思い出した。
「…………」
黙って学校の校門に立つ俺。
何も感じることなく、ただただ立ってるだけだ。
「――あ、マジで来やがった」
俺の後ろから声。
振り向くと、そこには数人の男子生徒がいた。
「お前さ、学園祭に参加する権利あると思うの?」
「いっつも休みやがって、そのくせに行事は出るのかよ」
「俺たちの努力、なんだと思ってるの?」
淡々という男子生徒たち。
俺は無意識に手に力を入れ、そいつらに近づく。
そういえば、こいつらに俺の強さを見せたことなかったな。
「あ? なんだよ。なんか言えよ!」
そいつらは何か言ってくるが、俺はそれを無視する。
「――先生! この人たちです!」
そんな声が聞こえた。
その声と同時に、その男子生徒たちは逃げるように走っていく。
そして、先生がそいつらを走って追った。
「康輝! 大丈夫!?」
さっきの声が、今度は近くから聞こえた。
俺はその声が聞こえてきた方向を見る。
一人の女子生徒――榎本芽依が俺に向かってきていた。
「来てくれたんだ!」
芽依は俺を見て満面の笑みを浮かべる。
「まぁ、俺が学園祭に参加する権利なんてねぇし、帰る」
「そ、そんなことないよ! 康輝もこの学校の生徒だもん! 参加する権利はあるよ!」
「俺がいるとお前も迷惑だろ? 俺は帰った方がいい」
「迷惑なんかじゃない!」
俺の言葉に芽依が大声で言う。
俺はそれを無視して学校から離れていった――
「――まぁ……、学園祭って初めてだから……、ちょっと興奮してた」
「じゃあ頑張らなきゃな」
白斗はそう言って、再びシャーペンを持った。
「康輝の過去が……! そして芽依という者が動いてる! ではクイズだ! 『今まで出てきた者で名前のイニシャルが、M、の者は? 全員の名前を答えよ』。名前だから名字は含まないぞー!」




