表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/349

第120話 白斗、敗北

「前回のクイズの答えは『○』だ!」

 「白斗……」

 「戦闘中に他のことを考えていたのか? よくないな」


 白斗は俺に顔を見せないまま外野まで歩いていった。

 でも、『悲しい』や『悔しい』といった感情は感じない。


 むしろ、『これでいい』って感じがする。


 「康輝、これ」


 大雅が俺にボールを投げ渡す。


 ヤバイ……俺のせいで白斗がやられちまった……。

 大事な戦力なのに……。


 「康輝、あまり気にしなくていいと思う」


 皆嘉が俺の隣に来て言う。

 無駄に近すぎる気がする。


 「白斗は自分の意思で当たりにいってた。白斗がそうするってことは、康輝をまもるのに理由があるんだと思う」

 「そうか……? そうは見えねぇけど……」

 「信じろ。戦いで仲間を信じなくてどうする」


 ……確かに……。

 でも、結構罪悪感が……。


 「そうだぜ、康輝! 戦いは楽しめ!」


 大雅が俺の肩に手を乗せる。

 戦いは楽しむものじゃないと思うけど……。


 ……俺が言えることじゃないか。


 「……わかった、ありがとな。ちょっとやる気でた」


 俺は二人にそう言って、石本先輩ではない敵に向けてボールを投げた。


 その敵はボールをキャッチしようとするが、その前に石本先輩が出て俺のボールをキャッチする。

 どこにでも出てくるな……石本先輩……。


 それより、敵は残り二人だ。

 こっちは三人だけど。 


 でも油断はできない。


 石本先輩が俺に向かってボールを投げてくる。

 俺はそれをキャッチしようとするが、俺の手に触れた瞬間、ボールが上に跳ぶ。

 ヤバイ……このまま落ちたら俺が死ぬ……。


 俺は跳躍し、ボールをキャッチする。


 さてと、どうやって敵に当てるか……。

 あの縄で引っ張る作戦はもう通用しないと思うし……。


 かといって他の方法は思いつかないし……。

 ボールが二つ以上あれば楽なんだけど。


 それより、まだ腕が地味に痛い。


 「大雅、お前が投げてくれ」

 「え、俺?」

 「ああ、皆嘉でもいい。ちょっと腕が痛くて……。少しだけ休ませてくれ」

 「わかった」


 俺は大雅にボールを投げ渡す。

 大雅はそれを掴み、敵に投げる。


 石本先輩がそのボールをキャッチする。


 いつも通りだな……。

 石本先輩を疲れさればいいのかな……?


 でも、どうやって疲れさせるんだ……?

 こっちの体力が先になくなるか、石本先輩の体力がなくなるか、どっちが先なんだろう……。


 それがわからないと、ちょっと困るな……。


 石本先輩は皆嘉に向かって投げる。

 いつもと同じくらいのスピードだ。


 でも、皆嘉はそのボールを躱そうとしない。

 そして、皆嘉はボールに当たった。

「白斗……お主、意外とすぐ当たったな……。もう少し活躍を見たかったぞ……。ではクイズだ! 『水麗はナンパされたことある?』。水麗がナンパされるのか……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ