第108話 予定変更
「前回のクイズの答えは『三日目』だ!」
「あ、お前ら!」
前崎先生が俺たちに近づく。
何か急いでいるみたいだ。
「ちょっと予定が変更してな……」
「? 変更……?」
「ああ、『ドッジボールもどき』を最後に行うことになった」
……はい?
「なんか校長の判断でな。順番をずらしたんだ」
え……最後にやるの……?
もともと最後って……『団対抗リレー』だよね?
一番盛り上がるやつだよね? あれって。
それぞれの団の足が速いやつがそろって、みんなで走るやつだよね……?
それのあとに『ドッジボールもどき』とかいう変な競技やるの……?
保護者たちからクレーム来ない……?
ってか、どんな判断してんだよ、校長……。
何か理由があって判断してんだよね……?
「とにかく、次は『障害物リレー』だ! 二年生をアリーナに集めてくれ!」
先生はそう言い残し、どこかに行った。
「次は美月ちゃんがやれば?」
「……じゃあ……我がやる……」
美月はマイクに口を近づけ、スイッチをつける。
『生徒の皆さんに連絡です。次の競技はドッジボールもどきでしたが、変更になりました。ドッジボールもどきを団体校リレーの次の競技にします』
やっぱりいい声だな……。
本当に美月ってなんなんだ……?
生物好き、ホラー好き、声もいい。
すごいな……。
「……ふぅ、終わった……」
「やっぱりすごいね…声。声優なんじゃない?」
「そんなすごい者ではない」
いや、結構すごいと思うけどな……。
障害物リレー、結果は黄団の勝ち。
赤団が弱すぎる。
もうちょっと頑張れなかったのかな……?
だって走らないでさ、友達と喋りながら歩いてるやついたぞ!
しかも八人くらい!
一人や二人なら『脚、怪我したのかな?』って思えるけど!
八人も同時に怪我するわけないよね!
「……赤団……」
冬乃も口にする。
冬乃が言うってことはそうとうヤバいのか……?
「次は我等の『借り物競争』だな。康輝はそういうの得意か?」
「借り物競争か……。やったことないな……」
「私は得意だよー!」
確かに冬乃は得そうだな……。
『これ、貸してください!』って言ってそう……。
「あ、でもねでもね! 今年の借り物競争は特別みたい!」
「特別……?」
「うん! かなり難しいらしいよ! 普通さ、『カメラ』とか『タオル』とかでしょ? でも今年は『カイロ』とか『問題集』とかあるらしいよ!」
カイロ……今の時期は使わない……。
問題集……体育祭にまで勉強するやつがいるとは思えない……。
『難しい』っていうより『無理』じゃん……。
どうするんだよ……詰んだら……。
「今週は投稿ができないかもしれぬ。作者が多忙でな……。本当にすまぬ……。そしてクイズだ。『冬乃の家は何屋さん?』。簡単だな……」




