第107話 ガンファイア
「前回のクイズの答えは『③』だ!」
俺たちの大玉送りが終わったあと、無事に一年生の台風の目も終わった。
結果は赤団がボロ負け。
ほぼ青団と黄団の戦いだった。
むしろ赤団はふざけてた……?
「あー、マジで疲れた……。次ってなんだ?」
「三年生男子の『ガンファイア』だ」
ガンファイア……?
何それ……。
「サバゲーとかで使う銃を敵に向かって撃つというやつだ。我等が夏休みやったやつに似ているな」
ああ、あれか……。
あれをやるの……?
三年生男子が……?
ってことは酒井先輩も……。
「あ、次! 次は私が放送したい!」
「では三年生の男子をアリーナに集めるぞ」
「うん!」
冬乃がマイクのスイッチをつけ、喋り始める。
「なかなかの見ものらしいぞ?」
「見ものって……」
「ま、お主や大雅の腕と比べるとつまらないがな」
「そういうこと言うなって……」
確かに大雅の銃の腕はすごいけど。
あのとき、しりとりなんかしなければな……。
大雅の戦い見れたのに……。
また今度サバゲーに行くか。
楽しかったし。
「えっと……集まったんだけど……どうすればいいんだっけ?」
冬乃が俺と美月に訊く。
アリーナには三年生の男子が集まっていた。
全員ハンドガンみたいなものを持っていれ、顔に何かをかけている。
防弾シールドかな……いや、そんな大げさじゃないか。
とにかく早く見たいな……。
「先生が合図出してるし、もう説明していいかな?」
「ああ、していいと思うぞ?」
「わかった」
冬乃はマイクのスイッチをつける。
そして何か喋る。
結果は赤団の勝ち。
ってかルール説明してなかった……。
三つの試合があって、それぞれ赤団と青団、赤団と黄団、青団と黄団が戦う。
銃弾に七発当たると、その人は負けになる。
どちらかの団が全員負けになると、その試合は終わり。
勝った方にポイントが入る。
それで赤団の勝ち。
どの試合も酒井先輩が全員負けた。
酒井先輩だけが無双してた。
酒井先輩……めっちゃ強い……。
「あれ、お主の部活の先輩だよな……?」
美月が酒井先輩を見てつぶやく。
「あ、ああ……」
「お主……将棋部だよな……」
「まぁ……そうだけど……」
「お主といい、あの先輩といい、なぜ将棋部に運動神経がよい者が集まるのだ……?」
それは知らない。
ってか次の競技なんだっけ……?
「次はお主等の『ドッジボールもどき』だぞ? 準備しておけ」
そっか、次か。
『ドッジボールもどき』ってのはドッジボールの人数が少ないやつ。
内野に人数制限があって、四人までしかいれない。
なんでそんなルールつくったんだろう……。
「やはり三年生の試合はすごいのう! ではクイズだ! 『康輝たちの高校の入学式は、康輝と水麗が知り合ってから何日目?』。最初の方だな……」




