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第103話 誰が放送?

「前回のクイズの答えは『明田先輩、結城先輩、丸木先輩、酒井先輩、橋本康輝』だ! ギリギリ投稿できた……」

 「これが原稿らしいよ」


 荷物を本部に持っていったとき、冬乃がさっきとは別の紙を俺に渡す。

 なんか色々と書いてある。


 「順番は私たちに任せるって。康輝くんはどこやりたい?」


 放送か……。

 確かに『これより、開会式を始めます』みたいなこと書いてあるな……。


 「一発目から康輝がやるのはどうだ? イケボを皆に聞かせるのだ」

 「は? じゃあ美月の地声の方が―――」

 「―――それだけは嫌だ!」


 ええ……。

 そんなに嫌なの……?


 普通にかわいいと思うのに……。


 「じゃあ最初康輝くんね! 次私がいい! 康輝くんはイケボね!」

 「はぁ!? じゃあ冬乃はあの声な! 演劇するときのあの声!」

 「あの声はあのときでしか出したくないの!」


 冬乃は演劇で『桃太郎の味方で鬼と戦うクールな女』役。

 そのときの声がヤバイ。


 美月の逆。


 『いつもは高い声だけど実はクールな声も出せる』ってやつ。


 「一応今から用意しておくぞ」


 美月がマイクを握る。

 そしてそれを俺に渡した。


 最初は俺がやることは決まってるのか……。


 「頑張れよ、康輝。……それと、今言わなければならないことがあるらしい」


 言わなければいけないこと……?

 紙に書いてあるのかな……?


 なんか書いてある……。


 『保護者の皆様へ』ってやつ。


 「これを今言うのか?」

 「ああ、一時間ごとに言えって言われてるぞ」


 そっか……仕事多いな……。

 ま、こういう経験もいっか。


 「今言っていいのか?」

 「らしいよー。今ならガヤガヤしてるからさ、多分誰も聞かないよね。練習にはいいんじゃない?」


 確かに。

 いいこと言うな、冬乃。


 保護者は結構いるけど、なんか色々と会話してるし。

 やってみるか。


 俺はマイクのスイッチをつける。

 そして紙を見ながら喋った。


 『保護者の皆様にお知らせします』


 そういった瞬間、みんながめっちゃ静かになる。

 なんで静かになるの……?


 保護者が静かになるのはわかるけど、なんで生徒も静かになるの?

 さっきまでみんな話してたじゃん……。


 でも言うしかないか……。


 『開会式は九時より始めさせていただきます。それまでしばらくお待ちください。保護者席でのご飲食は可能ですが、ゴミはゴミ箱に捨ててください。また、写真や動画の撮影も可能になっています』


 ……よし、言えた……。


 「おおー! さすが康輝くん! イケボだったね!」


 冬乃が俺の肩に手を置いて言う。

 俺はマイクのスイッチを消し、深呼吸をする。


 「あー、緊張した」

 「開会式は私がやりたい! 楽しそう!」


 めっちゃ緊張したけど、意外と楽しかったかもな……。

 こういうの好きかも……。

「前回は『投稿できぬ』と言ったが……ギリギリ投稿できた……。よし、クイズだ! 『みんなで遊園地に行ったのはいつ? ①中間考査の前、②中間考査と期末考査の間、③、期末考査のあと』結構昔のことだな……」

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