第102話 体育祭、当日
「前回のクイズの答えは『康輝と二人で勉強したとき』だ!」
……来てしまった……この日が……。
母さんと父さんは仕事を休んで、水麗は朝から上機嫌。
しかも、水麗は制服を着ていない。
体育着として学校で使ってる運動着を着ている。
俺もそれと似たようなものを着ている。
……そう……今日は……体育祭だ……。
「康輝ー! ちゃんと朝ご飯食べなさい! 水麗ちゃんが作ってくれたよ!」
「康輝くん! ちゃんとスタミナつけなきゃね!」
一階から母さんと父さんの声。
あの二人には絶対に来てほしくないのに……!
特に演劇……!
あの変な劇!
桃太郎ではない桃太郎!
しかも主役!
「お兄ちゃん! 一緒に食べよー!」
ああ……もうヤダ……。
しかも朝食……唐揚げだし……。
朝から唐揚げ……?
重くない……?
普通にパンとか鮭とかでいいんだけど……。
体育祭をする場所に来た。
うちの学校はどこかの陸上競技場で行う。
結構広い。
中にはすでに数十人の生徒がいて、観客席に座っていた。
その中には大雅がいた。
張り切ってるな……。
俺らは先生に挨拶をして、観客席の『一組』と書かれたところに行った。
「遅いぞー」
席に座った瞬間、大雅が言う。
遅いって……結構早い方だと思うけど……。
「美月も来てんだぞ」
え、美月もいるの……?
早くない!?
「なんか『体育委員の仕事があるから!』とか言ってたぞ? お前は大丈夫なのか?」
体育委員の仕事……?
……そういえば『体育祭が始まる前に、本部に来い』みたいなこと言われてた気がする。
本部ってどこだっけ……?
あのテントかな……?
「なんか俺も仕事あるみたいだから、ちょっと言ってくる」
「あー! 遅いよー!」
本部に入った瞬間、冬乃が文句を言う。
そこには数人の先生、美月、冬乃しかいなかった。
「遅いって……結構早く来たほうだけどな……。まぁ、ごめん」
「さっき先生から指示が出た。我等の仕事についてだ」
美月は持っている紙を俺に渡す。
なんか色々と書いてある。
「『その指示に従え』と言っていた。重要なことは大玉や玉入れのカゴとかを用意することらしい」
重要なことって……。
まぁ、それくらいしか仕事ないのか。
体育委員って言っても、合計九人くらいいるし―――
「―――あれ? 二年と三年の体育委員はどこだ?」
今気づいたけど、他の学年の体育委員はいない。
「ああ、今年は我等一年だけらしい」
え……俺らだけなの……?
結構つらいよ……?
「それと、放送もやるみたいだよー。『プログラム一番、開会式』みたいなやつ」
ええ……それって放送委員とかの仕事だよね……?
「だから私たちは基本ここにいることになるって。だから荷物ここに持ってこいって先生が言ってたよ」
……あそこまで荷物をとりに戻りに行くのか……。
「とうとう始まったぞ……体育祭……! 楽しみだな! 早く康輝たちの実力を見たい……。ではクイズだ! 『将棋部の部員の名前を全員言え』。名字しかない者もいるな……。それと、今週は投稿できぬ。本当にすまぬ。作者の事情があって……」




