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妹、電脳世界の神になる〜転生して神に至る物語に巻き込まれた兄の話〜  作者: 宮比岩斗
1章 義妹と書いて偽妹と読む

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選択肢がありすぎても困る

 シオミンがいる。


 そうと分かれば生シオミンに会うまで一分一秒でも長く生きる術を学ばなければならない。


 まず銃で撃ち合い最後の一人になるまで戦うというフワッとしたことしか知らなかったこのゲームについて調べ始めた。


 どうやら基本的に銃で撃ち合うのは基本的ではあるが、多種多様な能力から一つ選んで戦闘に臨むことができる。これだけならばよくあるゲームと言ってしまえるのだが、長年運営し、ナンバリングなどを重ねても過去作の能力を一切捨てずに来たため、膨大な量の能力を選択できるようになっている。しかも、近々行われる大型アップデートでは、新ルールで複数の能力を組み合わせられるようにもなるらしい。


 それだけ聞くとゲーマーなら魅力的に映るかもしれないが、初心者の俺は大量の選択肢を前にして困り果ててしまう。


 自分の性格に合った能力を選びたいと考えていたが、そんなやわな考えは捨ててしまおう。どんなゲームにだって一線を画す性能を持ったものがどうしたって出てくる。それさえ使えれば、同じ実力の者同士ならば強い性能を使った方が勝つのだ。


 桜庭がそう言っていたのだ。間違いない。


 メタを張られやすいとも言っていたが、初心者が気にしても仕方がない。


 シオミンに会うまでやられなければそれでいいのだ。


 そうやって三つの候補に絞り込んだ。


 一つ目はワープ能力。


 ワープ能力だけでもいくつか種類があったのだが、俺が候補に選んだのは短距離ワープを連続で使用できるタイプだ。移動系の能力は、迎撃、追撃、攪乱、逃走、どれを取っても腐らない能力だという。ただし、本人が弱いと強みは活かしにくいともいえる。


 二つ目はシールドを張る能力。


 ただし、味方を守る能力は皆無。自分の周囲にだけバリアを張るタイプだ。これはスナイパーライフルもしくは重火器など、機動力が落ちる武器を持ちたい人が選ぶ能力らしい。たまにこの能力で敵陣に突っ込む人もいるらしいが、魅せプレイの一種か地雷プレイだという。


 三つ目は回復能力。


 とは言っても直に回復する、させるタイプではなく、アイテムを生成・自動発動能力だ。回復アイテムを生成できるのはいわずもが、そのアイテムを予め自分もしくは味方に発動予約さえしておけば、傷ついた時に自動で発動してくれる。無論、生成したアイテムに限定されるが、戦闘中のアクションリソースを奪われないのが強みだ。初心者向けに作成され、強すぎてナーフされ、弱くなりすぎてバフされ、適度な強さ設定ができない能力らしい。ちなみに今はバフ期だ。


 どの能力も捨てがたい。


 現環境下においては、それぞれ人気のある能力だ。


 その上でシオミンに会うまで生き残れる確率が高いのを選ばなければならない。


「おい、抽選終わったから開始すんぞ」


 桜庭にそう声をかけられる。


 三十秒のカウントダウンが始まる。


 出撃準備室で能力を選択を迫られる。


 桜庭はいつも使っている能力を選択。


 妹は「じゃ、これでいーや」とテキトーに選んでいた。


 その横で、一人頭を悩ます。


 妹に「私が選んであげてもいーよ」と勝手に選択されるのを阻止し、その勢いそのままに「これだ!」と能力を選択した。

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