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転生令嬢と転生オタクの王子様  作者: ネコフク
3/4

転生者と転移者

次話投稿は来週になります。

「ぎゃっ!殿下昨日と同じで怖いっ!・・・ってユン様は足どうされたのですか⁉」


 執務室に入ると㊙ノートとペンを持ち長椅子に座る殿下と右足にギプスをつけたユン様が座っている。

 イキイキとした殿下とは対照的にぶすっと座っているユン様。どうやら昨日本を落とした箇所を骨折したらしい。


「どうだ、整理はついたか?」


「いやー・・・その・・・兄弟が強烈過ぎてまだ整理が・・・」


「そうか、じゃあ昨日の話の続きをしよう!」


 うわー、喋りたそう・・・うずうずしてる。


「その前に私が転生者になる前となった後では対応が違いすぎるのですが・・・」


「ハン、そんな事か。ローズはな、私の転生者㊙ノートを馬鹿にし取り上げようとしたのだ!何が「これ以上転生者を調べるのはお止めください」だ!私からこれを取り上げようなど不敬にも程があるっ!」


(いるいる、好きなものをけなされたら徹底的に拒絶するヤツ。特にオタクに多い気がス)


「何がのめり込みすぎだ!何が政務を疎かにしすぎだ!これだって国の為になってるんだよ!!」


(そこ!ローズヒルデが言いたいのはそこじゃないのか?)


「いやいやいやいや、そればっかりじゃあダメ、絶対!

 でも殿下の気持ちも分かりますよ。好きなものをけなされたら悲しいですもんね」


「分かるか!悲しいんだよ!ローズに理解してもらおうとしたけどダメたっんだ!」


(あー、一応歩み寄ったんだ)


 私はうーん、と考え込み


「じゃあ私がローズヒルデの代わりに殿下の趣味を理解しましょう!」


「本当か⁉ユンもあまり理解してくれなくて・・・ローズと同じ事を言うんだよ!」


「そうなんで・・・す?っておかしくないですか?同じことを言われてもユン様は良くてローズヒルデはダメなんですかっ⁉」


「コホン。えーそれはですね、ジュリアン様とローズヒルデ様は幼馴染でとても仲が良かったんですよ。

 ずっとローズは可愛いローズは可愛いとおっしゃってましたからね。今も可愛いと思ってるんじゃないですか?」


「ユン!」


 あー、あれだ。可愛さ余って憎さ百倍ってやつだ。

 顔赤くしてかーわいい。


 によによ見ていると恥ずかしかったのかそっぽを向く。


「そうなんですね。ローズヒルデが好きだから認めてもらえなくて腹が立ったと」


「なっ!好きなんて言ってないっ!」


「えっ?顔に書いてますけど?」


「!?」


 ばっと顔を手で覆うが耳まで赤くなってますよー。

 かーわいいPart2


「・・・お前ローズと全然違うな」


「昨日殿下が言ったじゃないですか。今前世の意識しかないですもん。奥底にローズヒルデの感情が閉じ込められている感じがします」


「そうか・・・」


「残念そうですね。あ、殿下ローズヒルデが好きだから前世の私じゃあときめかないと。

 そっかー、中身にも惚れてたと」


「・・・・・・!!」


 あっ、うずくまって震えてる。

 かーわいいPart3


 殿下をからかいながらにやにやしていると心の奥底にある意識がほんの少しだけひょっこり出てくる。


 ―――――これは嬉しい感情?


 そっか、ローズヒルデも好きなんだ。じゃあ何で感情が出てこないんだろ?うーん・・・


「あーえーっと殿下、昨日の続きするんじゃなかったんですか?」


「おおっ、そうだった。コホン、大雑把な転生者の話をしたが実は転生者以外に転移者が稀にこちらの世界に来る事がある」


「転移者?」


「そうだ。転生者とは前世では亡くなっていてこちらの世界に記憶を持って生まれてくる者、転移者とは何かしらの力が働いて別の世界から肉体を持ってこの世界に来た者だ。

 これが厄介でな。転生者はこちらの世界で生まれているから肉体がこちらの世界に対応していて魔法も使えるし生活も馴染んでいる。

 しかし転移者は肉体は前の世界仕様の為魔法は使えない。生活もどうやら水準が違いすぎるのかこの世界に馴染むのに時間がかかる。

 それだけならいいんだが転移者は「こっちに呼ばれたから自分は特別な人間」と思っているヤツが大多数だ」


 ふうっ、とため息をつき遠い目をしながら


「しかも自分は特別だからと王族並みの待遇を要求してくるのだ。実際特別なヤツなど今まで一人もいなかったがな。思い上がりもいいとこだ」


 ううん、確かに世の中そんなに甘くないよね。


「じゃあその転移者って保護してどうするんですか?」


「生活に馴染む訓練と適切な仕事に就かせる。が、転生者と違い馴れずに心を病むのが大半だな」


("ひょこっ")


(おっ、ローズヒルデが聞いている気がする。知らない話だったのかな?)


「・・・これってローズヒルデは知ってるんですか?」


「いや、知らない。これは一部の人間しか知らない話だしローズの耳にはあえて入れていない」


("・・・・・・")


(あっ、引っ込んだ。悲しかったのかな?)


「・・・ローズが聞いたら嫌な気持ちになるだろ?あまり良くない話もあるからな」


("・・・")


(今度は嬉しそう)


「で、私は転移者には興味はない。少数だし関わり合いたくない。

 でも転生者は違うのだよ!」


(あー、これは長くなるぞ〜ウヘア)


 ローズヒルデの私は長期戦になるのを覚悟した!

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― 新着の感想 ―
[一言] もうこの話の続きは書かれないのですか?
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