眠りつく
時の澱みは、泡沫の 如くに出逢う由もなき
落ちた紅葉と笹の葉に ひと時、舞を踊らせて
やがて、流れは慈悲もなく 離れ離れに押し流す
時の澱みに住まうなら
似つかわしきは、朽ちてゆく 紅葉ひと葉に違いなく
青き笹なら、笹舟と なりて、時流に未来への
竿をさせよと願うだけ
時の澱みを世にみれば
生者必滅、会者定離 無常の波に煽られて
朽ちるばかりのもみじ葉の 色さえ、時の彩に
つかの間、映えて消えてゆく
時の澱みに世をみれば
流れゆく身の目に映す 遠き未来の標さえ
儚き星の光にも 思えば、人の一生は
旅の途上と、ふと思う
時の澱みも、早瀬さえ 等しく時の統べれども
いまを旅するきみは、もう
泡沫のうち、まどろみに 櫂をやすめることもなく
我は、ひとりで眠りつく
少し忙しくなると、よけいに内向的な言葉ばかり浮かんでくるのはなぜでしょう。